遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(410) 小説 白い霧の夜(3) 他 欲望

2022-08-21 12:49:12 | つぶやき
         欲望(2022.8.18日作)


 人は 欲望があるから苦しむ 
 哀しみの因(もと)は欲望 しかし
 欲望が無ければ 人は 
 死んだものになる
 欲望に苦しみ その 苦しみから抜け出る為に人は
 様々な方面で 様々な方法によって その苦しみから
 逃れようとする その 逃れようとする方法の模索が
 人間の思考に 精神に 進歩 成長 を もたらす
 欲望 そして 苦しみが無ければ 人は
 死んだものになる 植物と同じ人間
 欲望が生み出す苦しみ 
 苦しみは
 人間の 進歩 成長 その 
 糧



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           白い霧の夜(3)  



「もう、何処かでお飲みになっていらっしゃったんですか ?」
 青華は篠田のグラスを受け取る様子を見て言った。
「うん、ちょっと。ーー今夜は少し飲み過ぎたようだ」
「でも、乾杯だけでもして下さいます ?」
 青華は自分のグラスにウイスキーを満たして手にすると言った。
 篠田はその言葉に自分のグラスを青華のグラスに合わせ、形だけ、水割りを口に流し込んだ。
 篠田がそのグラスをテーブルに戻すと、青華は自分の手にしたウイスキーを口に運んでから、篠田の首に両腕をからめて顔を寄せて来た。
 青華の唇がそのまま篠田の唇に近付き触れて、青華は自分の舌で篠田の唇を押し開け、口に含んでいた水割りを篠田の口中に流し込んで来た。
 篠田は青華の思い掛けない行動に瞬間的な陶酔を覚えると、一気にその気になり、水割りを飲み下して青華の唇を激しく吸い寄せた。
 青華の濃い口紅の微かな甘さが篠田の口中に広がった。
 青華は篠田の求めるままに口を開き、篠田の舌に自分の舌をからませて来た。
 お互いの歯と歯が触れ合う音がした。
 篠田の両手は無意識に青華のしなやかな肉体を力の限りに抱きしめていた。
 その手はやがて両の乳房に触れ、下半身へと延びていった。
 長く熱い抱擁だった。
 やがて、青華の方から身を離すと篠田を見つめて微笑んだ。
 篠田はその微笑みに誘われたように再び、青華の肉体を抱き締め、頬からうなじへと熱い思いを込めて唇を走らせた。
 青華はされるがままになっていた。
 篠田のワイシャツの下の胸を細い指で愛撫した。
< この女はおれ好みの女だ >
 篠田は心の中で呟いた。
 青華の美貌は仄暗い照明の中でも明らかだった。
 柔らかな肌をした脂肪の薄い肉体は、篠田の手を吸い寄せるかのようにみずみずしかった。
 篠田は、たとえ今夜一夜だけでのものでしかなくても、青華を手離す事の出来ない宝物のように感じた。
 その思いにのめり込むように篠田は更に、青華の唇に自分の唇を重ねていった。


          二


「向こうのお部屋へ行きましょう」 
 青華は長い口づけの後で言った。
 篠田は言われるままに青華の後に従った。
 青華は行き止まりになった廊下の壁に向かって立つと、青い明かりの点る一か所を押した。
 壁の一部が開いた。
 エレベーターがあった。
 エレベーターを降りると右手の壁に、幾つもの小さな明かりを点した廊下が開けていた。
 歩いて行くと明かりの下にはそれぞれ、< 梨花の部屋 >< 美樹の部屋 >< なおみの部屋 >と、名前が付されていた。
「これが君たち専用の部屋なの ?」
 篠田は名前を見ながら青華に聞いた。
「そうなんです」
 青華は悪びれる様子もなく言った。
< 青華の部屋 >の前で足を止めた。
「ちよっと、お待ちになって下さいますか ?」
 青華は篠田の指に絡めていた指をほどいて言った。
 青華は暗い感じのドアに向かい、微かな光りの中でドアのダイアルを廻していた。
 ダイヤルの重なる微かな音がして扉が開いた。
 淡いピンクの微かな明かりが篠田と青華を向かい入れた。
「すいません、 靴をお脱ぎになって戴けますか ?」
 青華は自分も銀色の小さなハイヒールを脱いだ。
 部屋には深紅の深々とした絨毯が敷かれていた。
 六畳程の広さの部屋の左手にはこれも深紅の、分厚いカーテンが下がっていた。
 青華は躊躇う様子もなくカーテンを開いた。
 床の絨毯や分厚いカーテンと同色の深紅のカバーを掛けたベッドが据えられていた。
 ベッドを囲む三面には大きな鏡が部屋の中を映していた。
 その中に何故か一脚、ポツンとこれも深紅で彩られた皮張りの丸椅子がベッドの足元に置かれていた。
 篠田は何処も彼処も深紅で覆われた部屋の雰囲気に微かな息苦しさを覚えるのと同時に、異様な神経の昂ぶりにも捉われていた。
 何故か一刻も早く青華の肉体を抱き締めたい誘惑に駆られていた。
 青華はそんな篠田の様子を見透かしたかのように、呆然と立っている篠田の手を取り、ベッドの傍へ誘った。
 そのまま、ベッドに自ら腰を下ろすと、再び篠田の唇へ唇を押し付けて来た。
 篠田の体を押し倒すようにして青華は篠田の体の上に自分の体を重ねて来た。





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         takeziisa様


          コメント 有難う御座います
         何時もわたくしの記事にお眼をお通し戴き感謝しております
         愚にも付かない文章ですが どうぞ必要な時にはわざわざ
         お断り戴く必要は御座いませんので 御自由にお使い下さいませ
         今回もブログ 堪能させて戴きました
          遠い記憶のお盆 懐かしさが込み上げて来ました
         良い御文章でした
          それにしても遠く離れた反対側の地方でありながら 風習というものは
         そう変わらないものですね わたくし共のお盆の風習そのものです
         冬の正月 夏のお盆 単調な田舎生活の中では この二つの行事が一大イベントでした
         正月は寒い中でそれ程動けませんが 夏のお盆は身軽で
         この時とばかりに夜更けまではしゃぎ廻っていたものでした
         親達もこの時ばかりはなんにも言いませんでしたし 楽しく
         懐かしい記憶です
          八月十五日 以前 この欄にもあの日の事を書いて置きましたが
         今 これ等の野菜の写真などを拝見していると 世の中の平穏をつくづく実感します
         ただし 世界では未だに一人の愚か者の為に何千 何万もの人々が
         苦境に陥り 命を落としています
         この愚か者を止める事の出来ない国連という組織はいったい、
         何をしているんだと怒鳴りたくなります
          登山の写真 今回も楽しませて戴きました
         見ているだけで登山の気分が味わえます
         一度この経験をした人達は やっぱり 病み付きになるのだろうなと
         実感出来ます 
          第三水曜日 忙しい事 ! 
         この気力があれば まだまだ大丈夫 爺さん この言葉だけはやめて下さい
         まだまだ お若い !
          オモシローイ
         初めて知りました
         いかにも禅僧らしい 人を食った言葉
         いいですね
         このように拘りなく生きたいものです
          何時も有難う御座います

         
         
         
         桂連様

          何時も好意的な御感想 有難う御座います
         一年 留年 思わず笑い声をたててしまいました
         やっぱり 他国の生活 御苦労の多かった事は推察出来ます
         それにしても 桂連様は頑張り屋です その強い意志があればこそ
         自国以外の言葉も身に付ける事が出来たのでしょうね
          旧作 言語の意識過剰 再読させて戴きました
         結局 自分は今 何を習っているのか それが混乱してしまうという事でしょうか
         英語を意識して聴いているのか 日本語を意識して聴いているのか
         根底に韓国語での理解があっても 英語 日本語での理解となると
         また別の意識が必要となって来るでしょうから そこのところがむずかしいのでしようね
         いずれにしても何事も意識しないで出来るようになって本物 身に付いた
         という事でしょうね  
         わたくし自身もアメリカ映画などしょっちゅう観ていますので 
         英語が分からないながらも ああ ここはこう表現するんだと
         自ずと分かって来ますから 不思議なものです
         実は今 わたくしが気になっている言葉が一つあります
         韓国語の「サランへ」という言葉です
         この言葉は歌謡曲の「哀愁のプサン港」という歌の中に出て来る言葉です
         この歌の歌詞は
       「夜霧に濡れる
        プサンの波止場
        愛しあの人乗せた船がゆく
        わたし一人を残していった
        船の無情よ 切ない恋よ
        サランへ サランへ
        愛しています あなた」
         という歌です
        韓国の歌手が日本で歌っていますが あまりヒットはしませんでした
        わたくし自身は良い歌だなと思って覚えてしまいました
        それでサランへとはどんな意味だろうと思ってウイキペディアで調べてみましたが
        出ていませんでした
        もし 何かの序でに桂連様にお教え戴けたらと思い
        今回 書きました もし 何かの序でにお教え戴けたら
        嬉しく思います
         今回の小説 ちよと下品な文章が混じるのですがポルノ
        を書く心算はありません ですが どうしてもこのテーマを捉える為には
         必要な文章なので 敢えて書いています
         嫌だなと思ったらどうぞ無視して下さい
          何時も有難う御座います
          御礼申し上げます