夕飯時、漫然とテレビを見ていた。突然、タコがマグロよりも高いという内容に変わった。一瞬箸を止め耳を傾けた。
日本の漁獲量は年々落ちていて、今はほとんど輸入に頼っている。その原因は天候異変であり、各産地の取れ高に影響を与えている。
次の日、都内での仕事を終え、自宅近くの改札口を出ると、築地銀だこの前に長い行列ができていた。
以前も同じような光景を見たことがある。
近づいていくと、看板に390円の表示が見えた。なるほど、、、。それにしても、それだけのことで、ここまでするか? 普通の日なら並んでいるのが1人かせいぜい2人。他の日に買えばいいのに。というのが僕の思いだった。
店内に五人。三人が汗まみれになって手際よく裏返しにしている。そして一人が注文受付と包装、もう一人は横で小麦粉を懸命にといでいる。
しかし、たこ焼きは一から完成まで結構時間が掛かる。出来上がっているたこ焼きが一つも見あたらなかった。
そんな中、三十数人が寒い中を並んでいる。中にいる店員は懸命になって作っている。
もし、この三十数人の最後の人が買うまでどれくらい待つだろう。冬のさなかに待つ根気は僕にはない。
ならば620円出して空いてる日に買う。根性なしだから、、、。
しかし390の力はすごい。
確かに230円の差があるしな。恐れ入谷の鬼子母神、、、、。
ところで、気になるのは、たこ焼きの中身。タコか?それとも?ホタテ?いや……?