一昨日には、こういう予定は全くなかった。
facebookから届いたメッセージ。それが僕を動かせた。
まずアニキンに、「明日夜渋谷ランタンにライブ見に行くよ。周さんとまこちゃんも誘おうか?」とメールした。しかし返事がなかなか来なかった。それからまたメールを送った。その間、周さんは用事があって行けない、まこちゃんは五時でもいいよと、積極的なコールがあった。
そして三度目のメールを送ってから、そろそろ諦めようとしていた矢先、やっと彼から返事があった。夜の七時を回っていた。
「君の話はいつも唐突だから熟慮した。その結果行くことにした。それで晩飯はどうするんだ? カミさんにどうするか言っておかないとうるさいんだ」
……?
ヤキモキというほどのものではなかったが、この段階でこれかい?
……?
そうか! 気づいた瞬間、あははははと声を出して笑い出していた。さだまさし亭主関白を自認する彼一流のジョーク。彼も、プチ悪よの~~!^^
僕はまだまだ修業が足りない。三十歳年長の彼の領域に達するには!
これを実感したひと時であった。
昨日、沖縄から出てきた前田達也の渋谷ランタンでのライブに、アニキンとまこちゃんの三人で行った。
大音量が脳天を突き刺す。マヒした体と足が自然とテンポを取る。それだけで気分は乗って最高潮に達する。
彼のギタープレイも人柄も僕は大好きで大ファンだ。人を魅了する魅力を持った人。
昨日は、彼の歌うデスペラード、それを期待していたのだが残念ながらなかった。
アニキンの、プチ悪よの~!の話題をもうひとつ。
ランタンに行く前に腹ごしらえで渋谷の居酒屋に寄った。少し飲んで、おでんなどを食した。その時、髪の毛の話に及んだ。「ぐーちゃんは意外と髪の毛が豊富でいいよな。カツラか?」と僕の髪の毛を見てからかった。「僕らはこの通り」と、アニキンとまこちゃんは、頭頂部を見せた。自分たちの薄さを堂々と見せるあたり、健気でさすがだなと思った。するとアニキンが続けた。「つるっ剥げよりはマシだろ!」と大きな声で吠えた。僕はドキッとして、口元に指を立てた。そして視線を横に流した。そこにやくざ風の男が二人。男の頭はつるっ剥げ……。
冷や汗が……。そろそろ行くか!その店を早足で出た。