金曜日、久しぶりにミスサイゴンを観に行った。前回は確か、ちょっと名前は思い出せないが、都立大学にあるホールだったと思う。今回はまた古巣の帝国劇場に戻ってきた。
演出は前回とはかなり違っていた。初めは戸惑った。
市村正親のエンジニア役は実に合っている。時折見せる彼のコケティッシュな演技。少々まじめさに欠けた場面では、特にそれがよく溶け込んで客を和ませる。そして最後、キムが自殺する場面では、前回同様目頭が熱くなった。これが、今回の感想である。
前半終了すると幕間となる。その時間を利用し、買ってきた弁当を慌てて腹に掻き込む。そして後半に入るわけだ。ややしばらくして、食べた弁当の中身を思い浮かべていた。実は腹が痛くなってきたのだ。生ものっぽいのは入ってなかった気がする。どうしよう。収まったり、酷くなったり、その繰り返しである。上演中に席を立つと、隣の人や何人かに迷惑をかける。
だから、不埒な考えを抱いた。早く終われ。早く終われ! 呪文を唱え始める。するとその甲斐あって、ラストシーンがやってきた。腹の痛みと心の痛みが複雑に絡み合っていた。
緞帳がおりる。鳴り止まぬ大きな拍手。もちろん次に出演者一同が登場した。――早くやりましょう、てきぱきと! 早く、まいて行きましょう!――心の中で急かした。
また緞帳がおりた。一旦引っ込んで再度登場というケースが多い。カーテンコールは止まない。また、市村正親が現れ、全員が登場。ヤバイ! この時、初めて知った。この日がミスサイゴンの初日だったのだ。その紹介が始まった。
ま、最終的にはなんとか滑り込みセーフ!^^ふ~~~~!!!^^