♪時には娼婦のように……♪ 娼婦と言えばパンパン。パンパンと言えばパンツ(パン2)。しかし今回の話は、サンメリーという会社が経営する石窯パン工房のこと。
ここは、ちょっとばかし高級感の漂うパン屋さん。六枚に切ったブドウ入り食パンが美味い。毎度毎度同じパンじゃ飽きる。時たまホテルパン、イギリスパン、フランスパンと替える。何せ、家には二人しかいない。六枚を食べ尽くすのには四日かかる。たまにスーパーの山崎パンの超熟六枚入りにすることもあるが、やはり味が違う。
いまどき、こんな価格があるのか? 思わず目を見張った。一袋30円。その30円で思い出すのは、東京にやって来て初めて見た中華料理屋さん。店のウインドウに、ラーメン30円の表示があったのだ。この時はまだ8歳だった。ラーメンという代物を食べたことがなかった。今から、何十年前の話?^^
今回は、それとはチト違う。大好きなパンの耳のこと。逆にもっと高くていいのでは、と思うのだが、やはり安いのは良いこと、でもある^^。
パンの肉厚はうすっぺらだが、薄茶色に程よく色づいた独特の焦げ感、頬張った刹那鼻腔に飛び込んでくる香り、そして食感、実にいいものだ。パンの耳には味が付いている。僕にはバターもジャムも必要としない……。
袋の中に6~7枚入っていた。それで十分。実は棚に三袋あって、全部買うかどうか迷っていた。殺気を感じ振り返ると、五十代くらいのおばさんが、早くしてよという顔で腕組みしている。あわてた。僕は籠に二袋入れた。それとほぼ同時に、最後の一袋を奪うように取ると、おばさんはレジに向かっていった。うむ。
そういえば京都にいた頃、ロバのパンの歌を流しながら屋台をロバに引かせたパン屋さんがやってきたのを覚えている。
今でもあるのだろうか? 最近はとんと聞かなくなったし見なくなった。