田中雄二の「映画の王様」

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ビッグX、リチャード・アッテンボロー逝く 『大脱走』 『ガンジー』

2014-08-25 19:26:06 | 映画いろいろ

ビッグX、リチャード・アッテンボロー逝く

 

 渋い脇役として、また監督としても活躍した英国出身のリチャード・アッテンボローが亡くなった。90歳。介護施設で最期を迎えたという。俳優としての彼は、『紳士同盟』(60)の集団強盗の一人、『飛べ!フェニックス』(65)の航空士役、中国人女性と結婚する『砲艦サンパブロ』(66)の船員役、ジョン・ウェインと共演した『ブラニガン』(75)のロンドン警視庁の刑事役などが印象に残る。白眉は、『大脱走』(63)で演じたカリスマ性と狡猾さを併せ持った、脱走計画のリーダー、ビッグXことロジャー・バートレット役だろう。

 一方、監督としては、デビュー作の『素晴らしき戦争』(69)『遠すぎた橋』(77)など、当初はオールスター戦争映画のまとめ役という印象が強かった。ところが、20年間企画を温めていたという伝記映画『ガンジー』(82)でアカデミー賞の監督、作品賞を受賞した後は、ミュージカル『コーラスライン』(85)、実録物の『遠い夜明け』(87)、チャップリンの伝記『チャーリー』(92)と、バラエティーに富んだ大作を手掛ける監督へと華麗に変身した。

 晩年は、『ジュラシック・パーク』(93)の恐竜テーマパークの責任者、リメーク版『34丁目の奇跡』(94)のデパートに現れたサンタクロースなど、好々爺を演じることも多かった。時代の変化に応じてさまざまな形で映画界に貢献した名優兼名監督である。

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