B級西部劇の典型
ザ・シネマ 今週の「シネマ・ウエスタン」は、1万ドルを奪い合うならず者たちがゴーストタウンを舞台に、アパッチとの壮絶な闘い繰り広げる『トマホーク峡谷の待伏せ』(53)。
メンバーはジョン・ホディアク、ジョン・デレク、デビッド・ブライアン、ライアン・ティールという渋過ぎる顔触れ。彼らと行動を共にするナバホ族の娘を演じたマリア・エレナ・マルクェスがエキゾチックな魅力を発散するが、実際はメキシコ系らしい。
配役、セット、ストーリー展開など、いろいろな意味でB級西部劇の典型のような映画だが、結局、誰の手にも渡らなかった札束が燃えるラストシーンは、ジョン・ヒューストンの『黄金』(48)を思わせるところもある。