某所での原稿作製のため、『大砂塵』(54)を40数年ぶりに再見。
1890年代、鉄道の敷設が進むアリゾナを舞台に、賭博場に現れた流浪のギター弾きとかつての恋人である酒場の女主人が、銀行襲撃犯と自警団との争いに巻き込まれていく姿を描いた異色西部劇。初見時、まだ中学生だった自分は「おばさん同士がいがみ合う、変な、妙な西部劇だなあ」と感じた。
今回、見直してみてその印象が全て覆ったわけではないが、役柄とも重なるジョーン・クロフォードとマーセデス・マッケンブリッジの対立、男女役の逆転、『カサブランカ』(42)や赤狩りが与えた影響など、映画の奥にあったものを調べていくと、いろいろな意味で興味深い映画だとは思った。
ラストでチラッと流れるだけの主題歌「ジャニー・ギター」(作詞・歌ペギー・リー、作曲ビクター・ヤング)が、なぜスタンダードになったのかは謎だが、多分、ラジオなどで流れて独り歩きした結果なのだろうと推察する。
https://www.youtube.com/watch?v=jw9pxjzfSX0