実はみんな映画が大好き
1974年のハリウッド。ギャングのレジー(モーガン・フリーマン)への借金返済に窮したB級映画のプロデューサーのマックス(ロバート・デ・ニーロ)は、危険なスタント撮影で俳優を死亡させ、保険金をせしめるという詐欺を思いつく。
マックスは往年のスター、デューク・モンタナ(トミー・リー・ジョーンズ)を老人ホームから連れ出し、西部劇『THE OLDEST GUN IN THE WEST=西部の老銃士』の撮影をスタートさせる。だが、デュークは思いのほかしぶとく、マックスの策略は次々に失敗。撮影は順調に進んでしまう。
監督はデ・ニーロ主演の『ミッドナイト・ラン』(88)の脚本を書いたジョージ・ギャロ。映画に関する小ネタを挟みながら、映画製作の舞台裏を楽しく見せてくれる。デ・ニーロのうさんくさいプロデューサー、フリーマンのギャングに、女性監督やスタッフも含めて、実はみんな映画が大好きというところがミソ。緩々な映画だが、この場合は、その緩さがかえって心地いいと感じさせられた。
ギャロ監督は「私はこの映画が単純に人々を笑わせることを願う。現在の私たちは暗く不確かな時代にいる。笑いというのはいいものだ」と語っている。
ところで、この映画の基はギャロ監督が若き日に見たハリー・ハーウィッツ監督の自主映画『THE COMEBACK TRAIL』(この映画の原題)で、ギャロ監督はこれをリメークすることをずっと夢見てきたという。そして亡くなったハーウィッツの妻と偶然知り合い、リメーク権を獲得。同じ頃、デ・ニーロから「何か楽しい作品をやりたい」と言われて、製作がスタートしたというのだから、これ自体が映画のような話だ。
劇中映画の『西部の老銃士』と『KILLER NUNS=尼さんは殺し屋』、そしてマックスがこだわる『パラダイス』という脚本。多分どれもたいしたことはないと思うが、これらも全編を見てみたくなった。
ところで、この映画を見ながら、保険金を得るためにわざと危険な仕事を選ぶが、皮肉にも次々と手柄を立ててしまう刑事(ダブニー・コールマン)を描いた傑作コメディ『天国に行けないパパ』(90)のことを思い出した。
『ミッドナイト・ラン』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2049fb08f07c7b6a1837798ffb6b1b03
『天国に行けないパパ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b2d82ee1273273e561f35aa46aacf742