田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

西田敏行 映画編『釣りバカ日誌2』 

2024-10-21 20:09:49 | 映画いろいろ

『釣りバカ日誌2』(89)(1990.2.3.丸の内松竹.併映は『男はつらいよ ぼくの伯父さん』)

 これまでの松竹2本立て興行の併映作は、「男はつらいよ」シリーズの添え物的な映画が多かった。今回はシリーズものとして並行する形で上映されたわけだが、それは取りも直さず本家の“寅さん”自体のパワーが落ちているのが最たる原因だろう。

 結果的には、そこにうまく入り込んだ形とはいえ、シリーズ化されることになったのは、ひとえに西田敏行、三國連太郎、石田ゆりの見事なトライアングルの妙味にほかならない。特に、三國の余裕のあるコメディリリーフぶりは、これまでは重厚な役が多かったこともあり、さすがと思わせるものがある。

 こうした、イメージギャップを生かした配役が、日本映画には欠けているところであり、引いてはそれが役者の芸域や可能性をせばめ、固定したイメージを持たせてしまうという悪循環を生んでいる。その点では、この映画の三國を見習うべき俳優はたくさんいるのではないだろうか。

 ところで、この映画で描かれた大企業のサラリーマンの日常、例えば、うその休暇届、懲罰委員会、助命嘆願という流れが、あまりにも現実離れをしていると嘆いた某評論家がいたが、もともと原作漫画の、社長と平社員がプライベートで釣りをする時は立場が逆転すること自体が夢物語なのだから、この手の映画に細かいリアリティを求めるのもどうかと思う。

 

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【ドラマウォッチ】「海に眠るダイヤモンド」(第1話)

2024-10-21 13:25:43 | ドラマウォッチ

「登場人物の一人一人の細部まで吟味したい」
「ホストの神木くんやば」

https://tvfan.kyodo.co.jp/news/topics/1450955

 

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西田敏行 映画編『釣りバカ日誌』

2024-10-21 08:34:23 | 映画いろいろ

『釣りバカ日誌』(88)(1989.1.14.松竹セントラル2.併映は『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』)

 釣りをこの上なく愛する浜崎伝助(西田敏行)は、鈴木建設四国支社高松営業所に勤めているが、釣り三昧の日々を過ごしていた。ところが、本社人事部のコンピューターの入力ミスで、東京本社の営業部に転属させられてしまう。やがて伝助と、鈴木建設社長の鈴木一之助(三國連太郎)が、ひょんな事から知り合い、釣りを通じての秘密の関係が始まる。

 これまで山田洋次の流れをくむ監督たちは、この映画の栗山富夫も含めて、師匠ほどのうまさがなく、ギャグが空回りしたり、つまらない人情話で終わってしまう場合が多かった。ところがこの映画は、そうしたマイナス面を感じさせないからっとしたコメディとして面白く仕上がっていた。

 もちろん、そこには原作漫画の持つ味の良さもあるのだろうが、何といっても西田敏行、妻役の石田えり、そして三國連太郎が抜群の演技を見せたことが大きい。中でも西ヤンは、あの顔と体からにじみ出る温かさとおかしさが、主人公の浜崎伝助の異常とも思えるような人の良さと見事に結びついて、全く嫌味を感じさせないところは特筆に値する。やはり彼には『敦煌』(88)のような役よりも、こうした味を捨てずにやり続けてほしい。ほかにこんな味が出せる俳優はいないのだから。

 東京でのロケ地は何とわが家の近くの北品川周辺。釣り好きにとっては船宿があるこの辺りは天国にも思えるのだろうが、船酔いする自分にとっては別にどうということもない。ただ、船による通勤は一度やってみたい気もする。

 

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「BSシネマ」『戦場にかける橋』

2024-10-21 08:00:24 | ブラウン管の映画館

『戦場にかける橋』(57)(1976.4.16/23.ゴールデン洋画劇場) 

 第2次大戦下の日本軍捕虜収容所を舞台に、捕虜の連合軍兵士を使って橋を建設しようとする日本軍と、人間としての尊厳を求める連合軍との対立、ひそかに進行する橋の破壊作戦を壮大なスケールで描く。

 アカデミー作品賞・監督賞をはじめ7部門に輝く、巨匠デビッド・リーン監督の戦争映画の名作。アレック・ギネス、ウィリアム・ホールデン、早川雪洲をはじめ、国際的な名優が共演。主題曲「クワイ河マーチ」はあまりにも有名。



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