『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』(2024.10.31.TOHOシネマズ日比谷.完成披露試写会.東和ピクチャーズからの招待)
将軍アカシウス(ペドロ・パスカル)率いるローマ帝国軍の侵攻により、愛する妻を殺されたルシアス(ポール・メスカル)。全てを失い、アカシウスへの復讐を胸に誓う彼は、マクリヌス(デンゼル・ワシントン)という謎の男と出会う。
ルシアスの心の中で燃え盛る怒りに目をつけたマクリヌスの導きによって、ルシアスはローマへ赴き、マクリヌスが所有する剣闘士となり、力だけが物をいうコロセウムでの戦いに参加する。
帝政ローマ時代の剣闘士(グラディエーター)を描いた『グラディエーター』(00)の24年ぶりの続編。前作に続いてリドリー・スコットが監督。本作の主人公となるルシアスは、前作でラッセル・クロウが演じたマキシマスとルッシラ(コニー・ニールセン)との間に生まれた息子という設定。
86歳のスコット監督による、ローマの再現度やコロセウムでの剣闘アクションはすごい。前作と比較するとどこまでが実景でどこからがCGなのか見分けがつきにくくなり、よりリアルな映像になっている。
ただ、なぜ今この続編なのかという疑問は拭えない。このところスコット監督は『最後の決闘裁判』(21)『ハウス・オブ・グッチ』(21)『ナポレオン』(23)と、1作ごとに違う題材を選んで、老いてますます意欲的なところを感じさせたからだ。
ところが、この映画の場合は、登場人物のキャラクターが前作に比べると皆薄い感じがする。何より主人公のルシアスにあまり魅力がないから、彼の抱く怒りや母との屈折した関係も中途半端な形に見える。それ故、奴隷から奴隷商人に成り上がったワシントン演じるマクリヌスが余計に目立ってしまうという人物描写におけるバランスの悪さが目立つ。
前作に続いてルッシラを演じたコニー・ニールセンにインタビューした際に、製作意図について尋ねると、「ローマの共和制の問題点は、われわれが生きている今の世界が直面している数々の問題と重なる部分が多い。リドリー・スコット監督もそのことを強く意識していたと思う」と説明してくれた。なるほどそういうことだったのかと少し合点がいった。
『グラディエーターⅡ』トークイベント
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『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』衣装展
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『グラディエーター』
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