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東映映画からテレビへ 村山新治

2021-02-25 12:28:42 | 映画いろいろ

 東映所属の監督たちの多くは、さまざまなジャンルのプログラムピクチャーを撮った後、東映テレビに活躍の場を移し、刑事物、アクション、特撮と、ここでもさまざまなジャンルのドラマを撮った。先頃亡くなった村山新治もその一人だ。

 村山は、『警視庁物語』シリーズなどを監督した後、テレビに移り、「キイハンター」「プレイガール」「特捜最前線」、そして東映不思議コメディシリーズと呼ばれる子ども向けのドラマも撮っている。まさに職人監督。

 「特捜最前線」に関するメモが残っていた。どちらも村山の監督作ではないが、あのドラマに対する自分の思いは残っていると思う。佐藤肇も天野利彦も、村山と同じ道を歩んだ、東映出身の監督だ。

「ああ三河島・幻の鯉のぼり!」(1980.5.21.)監督・佐藤肇、脚本・大原清秀

 このドラマは、毎回他の刑事物とは一味違う、重厚な人間ドラマを見せてくれるが、今回は、三河島事故をモチーフにして、1960年代から現代までの世相を背景に、沖縄からの移住者の問題を絡ませて描いていた。最近の刑事物では出色の感動作。

「ビーフシチューを売る刑事!」(1980.7.9.)監督・天野利彦、脚本・塙五郎

 大滝秀治の船村刑事が特命捜査課に復帰した。他の刑事ドラマとは一味違うシリーズが、また一層見応えが増した。

 『村山新治、上野発五時三五分 私が関わった映画、その時代』という本が出ているようだ。興味が湧いた。そして、以前から『警視庁物語』シリーズをきちんと見てみたいと思っている。


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