老いを見つめて
霙混じりの氷雨の中、関東地区の病院に夫の母親を見舞う
同行三人
夫、私、三十過ぎの末息子
ベッドに横たわる姑と正式には三十三年ぶりの再開
末息子は初対面(彼が赤子の時に、舅の墓前の道路で出会っているが、会釈だけで言葉は交わ していない。)
姑の 小さくなりて 尚威厳
姑の女の意地の枯れて行く
虚ろな眼 孫を探して 光をり
三十年ぶり 初対面の 氷雨降る
吾子の顔 生き写しなり 姑に
挨拶は 始めましてと 末息子
ゴメンナサイ 気に入る嫁に なれなくて
姑に受け入れられず愛されずお返しをせず我も姑