前回ブログでは瀬島龍三が伊藤忠商事に提出した
「御願之儀」を紹介いたしました。
就活や転職で作成する応募書類について
もう一つヒントになる逸話を瀬島サンから
学びたいと思います。
◆総理大臣への提出書類
大本営エリート参謀だった瀬島龍三は戦後
伊藤忠商事に「再就職」しました。
この頃、伊藤忠商事は自衛隊の主力戦闘機(FX)
の納入でライバルの丸紅と競争をしていました。
瀬島が配属された伊藤忠の航空機部には
役員から瀬島に対し
「総理大臣に提出する戦闘機の性能比較表を作れ」
という指示がありました。
瀬島はしばらくして
戦闘機各機種の航続距離や燃費などを
〇や△で評価した表を
たった1枚だけ作成しました。
◆組織における必要な知恵
なぜたった1枚なのか?
瀬島の部下にあたる小林勇一が訊いたとき
「総理なんてものは忙しくて時間がないから」
「簡単にまとめたものしか見られない」
「エライ人にはこういう書類を出すものだよ」
という事でした。
(新潮文庫「沈黙のファイル」共同通信社社会部編 1996年より)
これは瀬島が大本営作戦参謀時代に身につけた
実践的な事務処理の知恵なのだろうと思います。
「エライ人にはこういう書類を出すもの」
これは私にも経験があるのです。
◆学長に見てもらうには1枚が良い
大学に勤務していた頃、就職に関するデータを
分析して報告書にまとめる時には
「どんな内容であっても2枚以内にまとめよ」
といわれました。
学長に見てもらうためには役員理事会で渡される
分厚い会議資料の中から、わずかな時間で簡単に
ぱっと見て分かるようなものでないと見てもらえない。
私立大学の定例会議では
法人・教学からさまざまな議案が提出されてきます。
※法人とは学校法人の管理部門を指す呼び方です。
※教学とは大学の教育事務部門を指す呼び方です。
エライ人は忙しすぎるので書類をいちいち全部見られません。
だから「簡単な1~2枚」であれば物理的に目を通してもらえます。
このことを実感してきましたので、私は瀬島の知恵に
なるほど、と感心するのです。
◆書類は、見る相手の立場まで考えて作る。
学生であるなら、論理的な文章を作ることはできます。
しかし仕事では提出する相手の立場
(忙しい立場では見る時間が作れないという事)
まで想像して作れることが書類作成の知恵なのでしょうね。
就活や転職で、熱意を示そうとやたら長い文章だったり
枚数だけ多くしても事実上の効果が薄いということが
お分かりいただけるかと思います。
ブログも実は同じ原理がありますので
それではここでまとめましょう。
よい週末をお過ごしください
ではまた
「御願之儀」を紹介いたしました。
就活や転職で作成する応募書類について
もう一つヒントになる逸話を瀬島サンから
学びたいと思います。
◆総理大臣への提出書類
大本営エリート参謀だった瀬島龍三は戦後
伊藤忠商事に「再就職」しました。
この頃、伊藤忠商事は自衛隊の主力戦闘機(FX)
の納入でライバルの丸紅と競争をしていました。
瀬島が配属された伊藤忠の航空機部には
役員から瀬島に対し
「総理大臣に提出する戦闘機の性能比較表を作れ」
という指示がありました。
瀬島はしばらくして
戦闘機各機種の航続距離や燃費などを
〇や△で評価した表を
たった1枚だけ作成しました。
◆組織における必要な知恵
なぜたった1枚なのか?
瀬島の部下にあたる小林勇一が訊いたとき
「総理なんてものは忙しくて時間がないから」
「簡単にまとめたものしか見られない」
「エライ人にはこういう書類を出すものだよ」
という事でした。
(新潮文庫「沈黙のファイル」共同通信社社会部編 1996年より)
これは瀬島が大本営作戦参謀時代に身につけた
実践的な事務処理の知恵なのだろうと思います。
「エライ人にはこういう書類を出すもの」
これは私にも経験があるのです。
◆学長に見てもらうには1枚が良い
大学に勤務していた頃、就職に関するデータを
分析して報告書にまとめる時には
「どんな内容であっても2枚以内にまとめよ」
といわれました。
学長に見てもらうためには役員理事会で渡される
分厚い会議資料の中から、わずかな時間で簡単に
ぱっと見て分かるようなものでないと見てもらえない。
私立大学の定例会議では
法人・教学からさまざまな議案が提出されてきます。
※法人とは学校法人の管理部門を指す呼び方です。
※教学とは大学の教育事務部門を指す呼び方です。
エライ人は忙しすぎるので書類をいちいち全部見られません。
だから「簡単な1~2枚」であれば物理的に目を通してもらえます。
このことを実感してきましたので、私は瀬島の知恵に
なるほど、と感心するのです。
◆書類は、見る相手の立場まで考えて作る。
学生であるなら、論理的な文章を作ることはできます。
しかし仕事では提出する相手の立場
(忙しい立場では見る時間が作れないという事)
まで想像して作れることが書類作成の知恵なのでしょうね。
就活や転職で、熱意を示そうとやたら長い文章だったり
枚数だけ多くしても事実上の効果が薄いということが
お分かりいただけるかと思います。
ブログも実は同じ原理がありますので
それではここでまとめましょう。
よい週末をお過ごしください
ではまた