鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第108回】 安易に安売りする会社

2011年04月18日 | 住宅コンサルタントとして
特に中小工務店さんに多いのですが、
競合が発生した場合、価格を合わせなければならない、と思ったり、
場合によっては相手よりも安くしなければ受注出来ない、ということで
安易に安売りする会社があります。

でも、使っている材料も、現場で実際に建てる大工さんの腕も、
実は家は微妙に異なります。

同じ牛丼というメニューでも、アルバイトの店員さんがオーダーして20秒以内で完成させるものと
国産黒毛和牛の切り落としを絶妙な火加減で一流シェフが料理するのとでは、
当然値段は違うはずです。

だから、一流のお店で出す牛丼を1杯300円前後で売ることはありません。

しかし、住宅業界となると、素材も料理人も違うものを
同じ40坪の家だから、ということで、
「価格を合わせなければならない」と考える経営者や営業マンが多いのです。

でも、そのお客様がそもそも価格でしか判断しないお客様だったら、
チェーン店の牛丼屋さんに行ってもらうべきで、
無理して自社で受注することはないのです。

問題なのは、そうした違いの分からないお客様を引いてきてしまっている
自社のマーケティングにあるのかもしれませんし、
そもそもチェーン店と同じに見られてしまっている自社の説明が悪いのかもしれない。
(決してチェーン店の牛丼屋さんを低く見ているわけではありません、念のため)

そして、そもそも商談するお客様の数が少なすぎるのかもしれないのです。

「自社の家が高いから売れない」と簡単に考え、仕入れ先に無理ばかり言い、
安く仕入れて価格を合わせる住宅会社・工務店さんは
頑張る方向が完全に間違っているのです。

そういう方向で頑張ると、一生安売りから抜け出ることが出来なくなるのです。
「価格を合わせなければ、土俵に乗れない」から、
「価格を安くしなければ、受注出来ない」になるのです。

そして、利益がそれほど確保出来ませんから、いつまでたっても先行投資も出来ないし、
先を見た経営戦略も立てられなくなるのです。

だから、簡単に安売りしてはいけないのです。

以上、利益に対する考え方をまとめた3日間でした。
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