鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第1346回】 あまりよくない環境が、むしろ良かったと思う今日この頃

2014年09月07日 | 住宅コンサルタントとして
私自身、社会に出たのは1996年です。

バブルが崩壊した後だったこともあり、就職活動は本当に大変でした。

200社以上の企業に資料請求し、そのうち60社以上の面接を受け、
最終的に内定をいただいたのは3社。

一流大学出でもなく、コネもない私は、とにかく面接に落ちまくりました。

そして入社前に会社から届いた赴任地は北海道の旭川。
更に旭川に行って半年後には、北海道の北見市という、
本当に小さな事務所で営業マン以外、工事やアフターのスタッフも不在で
営業だけでなく、クレーム対応や工事の不具合の対応など、
全て営業マン自身で対応しなくてはなりませんでした。

札幌や東京近郊で働いている同期と情報交換をするたびに島流しにあったような気持ちになり、

「自分はツイていないし、環境的にも恵まれていないなぁ」

と感じることが多かったですが、今から思うと最高の環境だったなぁ、と思うのです。

もう、感謝、感謝です。

まず、景気の悪い時代でしか働いたことがありませんから、
ひとつの小さな仕事に対しても、ありがたいという気持ちを持つことができます。

コネも学歴もありませんから、自分の力で何とかしないといけませんでしたが、
そのおかげで行動のスピードや決断力が身につきました。

若い頃、周囲の方に仕事をふることもできず、全部自分でやらなくてはなりませんでしたが、
そのおおかげで現場力がついたと思います。
水洗の分解、清掃、交換、建具やサッシの調整など、今でも自力で当然ながらできます。
普通の家で育ったので、庶民の気持ちがよく分かりますし、
組織で厳しく指導してもらったおかげで働く人の気持ちもよく分かります。

この頃の経験がなければ、世間知らずでいただろうし、行動力も伴わなかったと思うのです。
本当に自分は恵まれていたなぁ、と思います。

常に危機感を自然と持てますし、
行動を変えなければ結果なんて変わらない、ということも体の底から感じています。

逆に恵まれた中で仕事をされてきた方の中には、
危機的な状況になっても決断できない、行動を変えられない方もいるなぁ、と感じます。

お客様の変化に合わせて自社を改革していかなくてはならないのに、
過去の成功体験を忘れられず、お客様の目で自社の商品やサービス、対応を見ることができていない。
自分の感覚、価値観が、今のお客様とズレてしまっていることに気づいていないのかもしれません。

今、恵まれた環境で働いている人は、そのことに感謝する。
今、恵まれていない環境で働いている人も、そのことに感謝する。

どんな環境にあっても、全て自分の責任で決断し、行動する。
そんなことを大切に、仕事に向き合いたいものですね。
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