鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第1493回】 自社が劣るところばかり見ても何もならない

2015年02月01日 | 住宅コンサルタントとして
今は多少、まともになったかと思うのですが、
その昔、メーカーの営業マンだった頃、私は本当に情けない営業マンでした。

入社して半年間は研修期間で、いろんな研修を受けさせていただきました。
そして研修で学んだ営業手法を新規のお客様に対し、実践するのですが、
まあこれが見事に売れなかったのです(汗)。

「価格が高いから、ちょっと使えないよ」
「いつも使っている○○社さんの商品に愛着あるしね・・・」
「(ユニットバスの営業時)お風呂の断熱材ってどうやって施工するの?
他社にはこんな便利なモノがあって楽なんだよね、施工が・・・」
「(キッチンの営業時)ホーローがお客様のウケがいいんだけど、お宅にはないよね?
じゃ、使えないなぁ・・・」

など、まあ、いろんな理由を教えていただきました。

当時の私は、本当に何も考えないアホだったので、
それをそのまま研修の講師の方に言ったり、上司に報告したりして、
自社の商品が売れない理由ばかりを言っていたような気がします。

研修の講師の方は、元営業マンだった方が大半で、
こちらの気持ちを分かってくれる方が多かったのです。
その優しさにつけこんで、屁理屈ばかり言う私のことは本当にうざかったと思います。

ただ、上司が良かった。
ほとんど会社に居なくて、居てもあまり相手にしてもらえなかったのですが、

「そんなの、簡単に買ってもらえないから、俺たち営業マンがいるんだろ!
商品が良くて、価格が安くて、デザイン性も高い商品だったら簡単に売れるかもしれないけど、
そしたら俺もお前も会社にいらないぞ!」

と、見事にズバッと言い切ってくれたのです。

それまでは、自社の商品の他社よりも劣る部分にばかり目が行っていましたが、
そんなことをしていても何もプラスにならない・・・。
そんなことよりも、どうやったらお客様に選んでいただけるのかを
真剣に考えて行動しようと思えたのです。

商品がイマイチ(といったら、開発の方に怒られそうですが・・・)だったゆえに、
商品を売るのでは無く、お客様が困っていることに耳を傾け、
その解決のお手伝いをしながら、お付き合いで何か小さいモノを買っていただく。

そんなことをコツコツとやっていく間に、会社の商品開発力も上がってきました。
他社と遜色ない商品ができた際に、一気に新規開拓ができたのです。

社会に出て18年。
いろんな会社を見てきましたが、完璧な会社などどこにもありません。

自社のダメなところにばかり目が行く。
周囲の方や自分の家族のダメなところばかり気になる。
そういう価値観になってしまうと、自分も周囲もハッピーになりません。

現状を受け入れ、その中で何ができるのかが大切なのです。

良いところにばかり目が行くような人間になりたいですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする