2015年12月に「大判焼き閉店」というというタイトルで「名菓 大判焼き」の記事をアップしたが、その店が先日解体された。工事用シートの囲いが除去された空間に何か地域の歴史が消えた感じがする。また、店舗は写真のブルーシート個所だった。店内で何度か熱々を食べたが、解体跡を見て店内がこんなに狭かったかと驚いた。
その店は、錦帯橋から歩いて5分くらい、新町のロータリーで浅尾菓子店の近く、岩国西郵便局のそば。木造洋館建ての長屋で外観は歴史ある建物様式と思っていた。いま、解体前を忍ばせるのは、ポツンと立っている錦帯橋方面行の古いバス停の標識、それは昔のまま残っている。この跡地はどんな方法で利用されるのだろうか。
閉店になって長い年月、手入れされない外観は次第に色あせていた。それでも、よく歩いて通るところだが崩壊などの心配をしたことはなかった。きっと頑丈な昔風の木造建築技術というか大工の匠が活かされた創りがされていたのだろうと思っていた。
店の外から手際よい焼き方が見え、子どももそれを見ながら焼き上がりを待っていた。餡は赤と白の2種類「赤幾つ、白何個」と頼む、アサギ色の紙袋に入れ手渡す店だった。寒くなると一段と繁盛していたような記憶がある。小麦粉の生地を練り、金属製の焼型に流し込み、餡を包み込んで焼く。こんな店の再登場はもうないだろう。
(今日の575) 暑さ消え大判焼きが懐かしい