日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

ふけゆく

2018年11月14日 | 生活・ニュース
 
 公園を散策しているとき、数人の年配女性が紅葉の下をハミングしながら歩いている。聞こえて来たのは私でも知っている「ふけゆく秋の夜 旅の空の わびしき思いに ひとり悩む 恋しやふるさと なつかし父母 夢路にたどるは さとの家路 ふけゆく秋の夜 旅の空の わびしき思いに ひとり悩む」旅愁だった。偶然だろうが、人影もまばらで散り始めた紅葉の光景にハミングが同化している。

 そんなハミング、写真を撮りながら聞いた。公園でハミングしながら秋を楽し人を見たのは初めて、同年配に思えるが何処から来られたのだろうといらぬ詮索をしていた。会話から市内某校の名前がでた。詮索はこうまとめた。市内出身で今は遠くに住む、同窓会で帰省し誘いあって思い出の公園を歩くうち旅愁をハミングしていた。

  私は生まれたこの地で高校卒業まで学んだ。社会に出る頃は産官学一体となり戦後復興の仕上時期で、石油が石炭にとって代わる端境期だった。多くの同期は各地へその担い手として故郷を後にした。幸か不幸か私は、生まれた地を離れずに今日まで過ぎた。だから旅愁という言葉の真の意味を知らない。

 旅愁の出だし「ふけゆく」を聞き、先日ばったり会った同期が「ふけても気持ちだけはふけまいで」と話したことを思い出した。ふけゆくは「老けゆく」とも書き意味は年をとっていくこと。歌詞のそれは「秋の夜が深くなっていく」情景だが、人生も似たところがある。たまには「ふける」について考えておくのもいいか、足下のモミジの葉を見ながら思った。
コメント
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