
「総合雑誌21世紀」といえば日本の冠たる雑誌と思われそうな誌名、その発行は「地方文化の会・岩国(発足時は岩国地方文化連盟)」という、同人誌の発行を試みた集まりで「ただ雑誌を発行するだけでなく、その他にもいろいろな文化活動をしよう」といことから発足、昭和44(1969)年4月創刊号が発行された。
この雑誌について、在ることは知っているだけのことだった。数年前、投稿の機会があり応募して掲載され、入会を勧められ入会した。あるとき、編集後記を書いてくれ、という青天の霹靂のような話をいただいた。身分不相応と丁寧にお断りしたのだが、受けないと発行が遅れる、そんな言質にも負け、3年間に渡って稚拙な読後感を書かせてもらった。毎回、編集責任者からその感想を直接聞くことができた。二度とない貴重な経験に今では感謝している。
そんな「21世紀」の秋季号の発行を心待ちしていた。今号も編集責任者が直接持参、その表紙に「最終号」とあり驚く。最終号となったいきさつは編集者や発足から携わられた皆さんの文面から理解できるが、岩国の文化の灯が一つ消えることの寂しさを感じる。会員のほとんどは市内居住者、皆さの思いも同じだろうと思う。
創刊号編集後記の「活動はあらゆる党派、流派を超えて、偏見を離れて、広い視野の下に展開されなければなりません。われわれは、いかなる圧力にも屈せず、岩国地方の文化発展に尽くす覚悟です」とその初心が120号(最終号)に転載されている。46年前、21世紀は大風呂敷という意見もあったが長くつないでいく意味で決まったという。22世紀へつなぐ新しい芽生えのあることを願い、これまで力を尽くされた関係者皆さんに感謝しながら最終号を読んでいこう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます