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地雷火

2020年10月31日 | しっちょる岩国

 先日、「岩国領の四境戦争」展が徴古館で開かれた。徴古館は1945(昭和20)年に旧岩国藩主吉川家によって建てられ、その後岩国市に移管された市の博物館。同館には岩国にまつわる資料が保存されていて、随時テーマを設けて展示されるが入館無料でもありよく出かけている。

 慶応2(1866)年の四境戦争における岩国領の動向について、岩国領に残る文書や絵図などの記録を中心に、四境戦争前後の岩国領の様子が紹介されていた。岩国領がどのように戦ったかがわかる展示と説明され、多数の文書や絵図が展示紹介されていた。毎回ではあるが、墨で書き残された文字は悲しいかな判読できず、短い解説文に頼るしかない。ところが岩国検定で学んだことの説明もあり、そうか、と年甲斐もなく嬉しい思いをした。

 こうした文書や絵図はガラス張りのケースに展示されており近づくことは出来ない。四境戦争展では一カ所「地雷火(写真)」がガラスを挟まずに展示されていた。触らないでの表示はあるが、150年前の戦に使用された実物に接する、何か高ぶるものを感じる。地雷といえば近代の武器のように思うが、それに似た武器が当時にもあったことに驚く。

 火薬が湿らないように内部に油紙を敷きそこに火薬を詰めたという。起爆方法について諸説あるようで断定はされていない。遊撃隊の記録に「敵兵は地雷火に恐怖の様子」とあることから、武器として威力のあったことが伺える。戦争は慶応3(1867)年1月、前月の孝明天皇崩御による国喪で征長軍開兵布告で終結した。
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