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戦略的ERPの実践を読んだ

2009年03月29日 09時38分38秒 | 読書評
戦略的ERPの実践
近安 理夫
東洋経済新報社

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戦略的ERPの実践を読んだ。

ERPを導入し、成功させるための企業、PJの取り組みに姿勢について書かれていて、
ERPそのものの解説ではない。
個人的には、逆にその辺の勘所を知りたい面があったので、面白く読めた。

基幹システムにERPを選定してパッケージを導入するということは、もう10数年も
前からあることで、新しいことではないが、各企業でERPを導入すると、開発、運用
にもっていくまで、非常に苦労しやっと運用まで持っていくと使いにくいシステムが
完成したという話は良く聞く。

そんななかで、この本の著者は、ERP導入の成功のためには、抜本的に既存のシステム
と業務運用を捨て、ゼロクリアにし業務そのものを洗い出し、本当に必要な業務運用
だけ残すよう効率化する必要がある。その効率化した状況というものの基本路線は
ERPが持っている機能であると言う。

ERP導入の成功のためには、業務を簡素化(効率化)しもともとERPが持っている企業
のもつ複雑な業務運用と比べ、簡素化した機能として持っているシステムに対し、運
用をあわせることが必要なことである、というシステム側からの都合の良い論理が書かれている。

確かにシステムに業務をあわせれば、その分ERPのアドオンなども必要
なくなり、成功する可能性が高いとは思うが、日本の事情に合うかというと疑問。
このような考え方を捨て、企業が業務改善の意識を強くもつ、持たせるための
後押しがシステム開発そのものと同様に大切であると言う。

当然のことであるが、ただ論旨的にいろいろとその秘訣が書かれていても、結局
のところ、既存業務を一度すて、パラダイムシフト的に業務内容を見直し、ERP
システムにあわせることというなんとも大胆な論旨は個人的には違和感があった。

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