失敗学のすすめ (講談社文庫) | |
畑村 洋太郎 | |
講談社
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久しぶりに本を読んだ。
だらだらと長い期間かけて読んだ。読書は、やはりいいものです。
活字を追って、その時、その時に短い時間で思索にふける。思索そのものは、
それほど深いものでなないが、瞬間的に書かれている内容について、論理性ある
内容か考察をする。そんなところが読書のよさでないかと、あらためて感じる。
失敗学は、失敗という人が隠したがる事象に正面から対峙して、その本質的な
原因と失敗に至るプロセスを明示して共有できるものにして、同様の失敗を
起こさないよう働きかける仕組み。
一番印象に残ったのは、システム、技術、組織、人といものは、はじまりがあり、
発展、熟成、衰退とステージがあり、失敗は往々にして熟成、衰退のステージ
で致命的なものを起こす。人、組織が危機意識を欠落させた時に起こるもので
その場合に起こる失敗はおおよそ予測でき、把握しながらも起こしてしまう
ということ。
まさしく、熟成にいたると無駄なこと、余計なことに手をかけずに、これまでの
通りやっていれば、間違いないという循環のなかいると、本質的に押さえておかない
といけない事象に目が届かなくなる。
よくあることではあるが、このマイナスサイクルは、認識して日々の行いに
危機意識として、投射したいと思う。