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MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 を読みました。

2007年08月28日 23時58分30秒 | 読書評
MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 (朝日文庫)
盛田 昭夫,エドウィン ラインゴールド,下村 満子
朝日新聞社

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MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 を読みました。

これもBook OFFでゲットした激安本です。
なかなか良いビジネス書だと思います。1990年が初版ですので17年も前にソニーの盛田氏によって書かれた書籍です。

盛田氏の生い立ちからソニーの起業当初の状況から国際舞台へと展開し始めた時期、進行企業としてからの世界的なステータスを獲得するまでの各国への取り組みの状況などが、盛田氏の主観もこめて記述されています。個人的な思いかもしれませんが、良くある大企業のTOPが自叙伝的に書く自慢話とは少し様相が違う内容です。終戦後の混乱期からソニーという自分たちが作りたい製品、社会に貢献する民生品を目指してソニーが音響製品を含めて本業に最も力を注いでいた頃の企業の動向が解かり易く記述されている。ものづくりの観点からソニースピリッツを彷彿する技術志向とそれを企業として世に広めるためのマーケット開拓の意識の重要性を唱えている。ソニーがアメリカを始め、ヨーロッパ、中国へと進出する際の企業姿勢、国民性、ビジネスに対する考え方、国からの規制、訴訟に備えるため準備、訴訟されないようなセールスアクションなど当時の苦労が具体性をもって明確にされている。企業の雇用、社員を育成し、社員を企業の競争力と考える部分は、日本独特の考えでそれを各国へ理解してもらうための考え方とそのギャップ、アメリカは社員も道具として考え経営の道具の一部と考える部分については、世界全体としてパワーダウンする一因にもなる。企業の業績によっては、合理化に即向かう文化は、世界的なビジネスのキャパシティを縮小するなどの考察は、17年後の現代への盛田氏からの提言にも汲み取られ、考えさせられる部分が多い。また現在のソニーへの方向修正への指針とも思える記述も含まれている。ホンダ、トヨタ、松下など戦後から日本を経済大国へ引っ張り上げてきた企業人としての枠の大きさを感じる内容である。

盛田氏の人柄をあらわしているような感じがするが、記述の内容や文体、全体の流れからその謙虚さが印象に残る書籍でした。

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