発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

彼岸、決断、できること、無理めのこと、生産性

2018年09月24日 | 日記

◆彼岸の中日

 9月に入っても暑く、夏の服が片づけられないが、それでも律儀に彼岸花は咲く。これは平尾山荘で撮った。

 ハロウィンの装飾が町のあちこちに。ハロウィンは、子どものころ見たアニメ「チャーリーブラウンとかぼちゃ大王」(チャーリーブラウンの声優は谷啓、ルーシーはうつみ宮土理)で知った。家々を、お菓子を貰って回る子どもたち。でもチャーリーブラウンが貰うのはいつも「かりんとう」(と訳してあった)。きれいな、子どもが好むようなお菓子ではなくて、ということだと思う。もちろんそのころは、ハロウィンなんて習慣は日本の世間にはなかった。今は町はかぼちゃだらけである。パッケージにオレンジ色と紫色を多用したお菓子がお店に並ぶ。

◆先送りの決断は早く

 いつか、西鉄電車で見た、ある社会人向けの学校の広告には、そこの生徒の声として「決断が早くなった」と書いてあった。ああ、私は決断が遅いのかな、と思った。で、何か停滞してるな、と思ったとき「早い決断、早い決断」と、つぶやいてみるようにしたが、いっこうに能率は上がらない。そこで「その案件はしばらく置いておきましょう」「あとで決めましょう」という、「先送りの決断」でもいいから、さっさと決める、ということにしたら、能率が上がった(……気がする)。先送りは悪いことじゃなくて、先送りしようか今やろうか、なんとなく迷ってることが、効率を下げているのだ。

◆「私共は、みんな、自分でできることをしなければなりません」

 ここに引用したことがある宮沢賢治『気のいい火山弾』のことばである。べつにできないことやれって言っているわけではないよ。だけど、できることを私はやってるのかな。今やってることができること、という言い方もできるけど、これはときどき自問したほうがいい。

◆「誰も、がんばれって言ってくれないから、自分で自分をしったしよう」

 これは大島弓子。『リベルテ144時間』(ウィキペディアに粗筋が紹介してあるが、出て来る全く違う女性二人が一人の人物になってしまっている)の、山の辺十五のことば。少年が女装してまで敢行しているのは極秘プロジェクトであるから、励ましてくれる人などいるはずがない。がんばらなくてもいいんだよ。でも、「それって無理っぽい」ようなことをやってみることも、何かをブレイクスルーしてくれて、自分を新しいとこに連れてってくれる。ダメなこともあったけど、うまく行ったことも少なくはない。時々思い出して自分を励ます。

◆仕事、仕事、仕事というほど仕事はしていない

 と思う。もっと忙しく密度高い仕事をしていて成果をあげている人はほかにいる。じっとしていたら時間は過ぎていき、そのうち人生も終了となる。他人に自分の生産性のことを言われるのは好きではないし、属性で括られて「生産性がない」と断言などされたりするとしたら、まっぴらごめんだ。。そのいっぽうで、せっかく生まれて来たのだから、やりたいこといっぱいあったな、でもしなかったな、というのはもったいないよね。だけどぐうたらの方へ流れて行くのも人のありようである。でもま、もうちょっと生産性とやらを上げて、目の前の仕事を片づけて、本を読む時間を作ろう。

 

 

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