上関町室津築出町に残る、擬洋風建築「四階楼(しかいろう)」。
文化遺産オンラインに「寄棟造、桟瓦葺の木造四階建で正面に玄関庇を付け、背面南北両端にはヴェランダ付きの切妻造、桟瓦葺で二階建の角屋を突き出す。外部は大壁造漆喰塗で蛇腹を廻し、軒庇に垂れ壁を付け隅にコーナーストーン型を漆喰でつくる。」
四階四隅の丸柱には「昇り龍」の鏝絵
二階軒庇垂れ壁には「牡丹」の鏝絵。
日本間で言うところの床の間にあたる壁には鏝絵の「菊水紋」。1999年の保存修理前には崩落寸前でしたが、修理の際、鏝絵に和紙を貼るなどの補強をして一旦取り外し、後補(こうほ)で塗られていたペンキを落としてから、壁に再び取り付けられました。
三階北の六畳間にある「唐獅子牡丹」の鏝絵。
同じく三階四畳半の天井四隅には「椿」の鏝絵。
四階の四方の壁に嵌めこまれた「フランスのステンドグラス」。その不思議な明かりが作り出す色の中に座っていると、全てが現実離れして思えるのです。
ご亭主殿!!上!!上~~~!!😲上に巨大な蜘蛛が!!
本当は漆喰鏝絵の「鳳凰」・・・なのですが、画像で見ると巨大な羽を持つ蜘蛛・・😱。いやこれはもう完全に私が蜘蛛が苦手なのと、尾羽が・・足のように見えて・・!鳳凰さ~ん!!ごめんなさい😅
という事で「四階楼」の案内をして下さった係りの方とツーショット💕
擬洋風建築の四階楼が完成したのは明治12年(1879)の事。施工主は幕末に第二騎兵隊の参謀を勤め、明治維新後に故郷に戻り回漕業や汽船宿を営んだ『小方謙九郎(おがたけんくろう)』。取引先の人々や船主らを商売上もてなすために建てたものです。擬洋風建築とは日本の大工が自分達の技術で西洋の外観などを模した和洋折衷の建物をいいます。棟梁は地元室津の『吉﨑治兵衛(よしざき じひょうえ)』。
2017年、友人のJ🐣さんが加わって三人での四階楼。
目に入る景色は4年前と変わっていない筈なのに、春から秋に移り変わった季節は、室内に差し込む光さえも模様替えをして二度目の私たちを楽しませてくれるのです。
ガラスを通して差し込む夕日の柱に向かって、ひたすらに突き進む一対の唐獅子。
両開きの玄関ドア
1999年に保存修理工事が行われた「四階楼」は、西日本に遺された数少ない漆喰塗系擬洋風建築として、2005年に国の重要文化財に指定されました。
ライトアップされた四階楼(2015年)
訪問日:2013年4月18日&2017年11月28日