私の日常の中では決して目にすることのない景色、それはもうまるで別の世界の・・そう、例えば何かの挿絵のような非現実的な風景。何処までも続く林の木々は、春というのに芽吹きを忘れ、枯れた色の枝を何本も何本も空に向かって突き上げている。
県道横に設けられた木道を湯川に向かって下りてゆくのですが、機敏に動けない私を気遣って何度も振り返っては待ってくれるご亭主殿。私と来たらついついあれこれと目につく何かに気を取られ😅 中々追いつけません。
エメラルドグリーンの川面が見えてくると、水音が段々と大きくなってゆくのが分かります。
うっかり足を滑らせたら這い上がれないかも・・ふと、そんな事を考えて思わず身震い。そのくせ、その凄まじく足が震える情景から目が離せない・・じっと見ていると危険だよと本能が囁きはじめて、やっとその場を離れる事が出来ました。
水音はさらに大きくなり、行く手に欄干付きの橋が見えてきました。この辺り一帯が白骨温泉の観光名所「冠水渓」のようです。
川面が白いのは流れが激しく泡立っているからで、決して白骨の乳白色のお湯が流れているからではありません。念のため😅
しきりと手招きするご亭主殿。ねぇ、吊り橋なんて・・・・・出来れば御免こうむりたい私としては、其処じゃなくてもここからでも十分に凄さはわかりますよと、負け惜しみ😣
それでもご亭主殿の「絶対に見ておかないと物凄く後悔するよ!」の言葉に促され、恐る恐る吊り橋へ。目いっぱい引けた腰に力を入れて 😣
うん、確かに上から見る「隧通し」はさっきまでのとは全然違った迫力。ちなみに説明には「隧通し」と呼ばれる天然洞穴は、地下水が石灰岩を溶かして出来たもので、それが地表に露出したものであるといいます。その後、湯川と湯沢の激流が洞穴をさらに溶蝕して天然橋を作りました。現在は天然橋の上がバス停になっています。」
高さ6m、長さ20m・・何と言うか・・・これほどの奇観を生み出すためにどれほどの年月が流れたのか。人の世界では推し量れない自然の凄さには、唯々言葉を失います。
白骨温泉の名所中の名所と言っても過言ではない「隧通し・冠水渓」。
引ける腰を必死でこらえた甲斐がありました😊 恐ろしさの波が引くと去りがたい思いが胸をよぎるのですが、そうも言っておれず・・元来た道を引き返す私の目に、慎ましく咲く「一輪草」の白が眩しく
他にも何か?と目を凝らせば、花を咲かせた「蕗の薹」
ちいさなこぶしを振り上げたような「こごみ」・・ああ、ここにも春の芽吹きが😊
訪問日:2016年4月23日
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