「養父神社」本殿後方に鎮座される「摂社:山野口神社」。御祭神は『大山祗神』。別名を「山の口のおおかみ」。流行り病を避け、憑き物を落とす神として広く信仰されていました。
切妻造の本殿は江戸時代末期の造営で、養父神社社殿と共に登録有形文化財の指定。場所的なものも有るのかも知れませんが、正面に向かい合った時の張り詰めた空気感。この一帯に満ち溢れる清浄な気、その独特の感覚はおいそれと経験できるものではありません。
静謐な神域を守護されるのは、建立年代不明の何とも不思議な表情の狛犬さん一対。鼻の周りの栓彫りは、獅子頭の口元をなぞった物なのか・・・阿形さんの上目遣いが妙にツボって、滅多に見られないお顔です。
社殿の細部に施された彫刻も非常に見応えのあるもの。斗栱の彫刻は「松に鷹」。吽形に相当する鷹は松の枝で羽を休めて
阿形に相当する鷹は、松の枝から羽を広げて身を乗り出し、今にも飛び立ちそうに・・
貫彫刻は獅子と龍・・・険しい視線に見つめられると思わずたじろぎそうになる迫力・・・阿吽ともに本当に怖いくらいの表情で参拝者を見下ろしています。
本殿の前方に鎮座される三間社流造の社殿は、同じく有形文化財に登録された「摂社:五社神社」。『天熊人命(あめのくまひとのみこと)、天照大神、素戔鳴命、月讀命(つくよみのみこと)、五十猛命(いそたけるのみこと)』を祭神とします。
境内左の杜中に鎮座される「琴平神社」、御祭神は『事代主命』。拝殿の奥に屋根つきの渡があり、本殿と繋がっています。
本殿右側後方に鎮座する「迦遅屋(かじや)神社」、御祭神は『奥津彦命・奥津姫命・猿田彦命・表米親王(ひょうまいしんのう)』。別称を「猫の宮」と称し鼠除けの信仰があります。
【 おぼろ月 歩けばふれる 白れんげ 】『豊島明楽(養父市養父)』。
境内にあった「トキホコリの群生地」、トキホコリって初耳ですが、群生というからには植物?
で、調べたところイラクサ科一年草の植物と判明。ちなみに「トキ」=時々、「ホコリ」=蔓延るの意味だそうですが、変わった名前ですね。
円山川に沿った小さな集落の一帯は、兵庫県下でも有数の紅葉の名所として知られています。御朱印を頂くべく二度目の参拝となったこの日は、「やぶ紅葉まつり」の開催中という事で、境内は燃えるような秋色の只中。
錦秋の赤に朱塗りの欄干は、別世界への入り口にも思えるような不思議な妖しさ。
参拝日:2011年3月31日&2014年11月20日
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『天熊人命(あめのくまひとのみこと)』、天照大神の命令で、月夜見尊に殺された「保食神」の死体から生じた神。五穀、牛馬、蚕などを持ち帰ったとされる。
『表米親王(ひょうまいしんのう)』、彦坐王を出自とする但遅麻国造家の一族で、日下部氏の始祖とされる。
正直、ダム巡りをしていると社に参るのはせいぜい湖畔の水神様くらいなのですが。
北海道の江部乙で当地のため池を回った際に、ネットでたまたま目にした「笑う狛犬」
時間に余裕があったので立ち寄ってみました。
阿吽それぞれ雌雄に分かれた狛犬だそうで、帰宅後知ったことですが(あとの祭りというやつ)、男の子の方にはちっちゃな一物もきちんとついているとのこと。
狛犬の写真だけになりますがよろしければご覧ください。
北海道の神社ですので、明治期の入植に合わせて創建されたようです。
笑う狛犬の由来はわかりませんが、入植後の過酷な開拓は想像に難くなく、せめて狛犬様には笑っていただこうという願いがあったのか?
https://blog.goo.ne.jp/match1128/e/f1f9b6ea1b59441c8a1d9505d7e35871
名もなき石工の手になるものも、後世に名を残す石工の狛犬も、どれも同じものは無い唯一無二の存在。
だからこそ、狛犬の世界は面白くて奥が深いのですが・・
最近は機械彫りの金太郎飴的な中国産狛犬が増えて、あれが居座っているとゲンナリして、参拝だけで引き上げる事も多々。
歴史ある神社が、急に色あせて見えるなんて、神様に責任は無いんですけどね・・