姫路市網干区新在家、ダイセル網干工場の一画に、「旧日本セルロイド人造絹糸株式会社:外国人技師住宅」として『設楽貞雄』の設計により、明治43年(1910)に竣工された2棟の異人館があります。
外国人技師住宅から旧図書館を経て「ダイセル異人館」に、2019年、会社創立100周年事業として周辺が再整備され、現セルロイド資料館として一般公開されています。
下見板張りと竪羽目板張り組み合わせた外壁に、スレート葺きの屋根。一階南側にバルコニーがあり、コロニアルスタイルの形態を有した外観は、懐かしいアメリカドラマの中の世界。
私たちが訪問した当時の「ダイセル異人館」は、工場の稼働日にのみ公開されています。その事を知らなかったため、内部を見学することが出来なかったのがとても心残りでした。
パッションピンクの屋根と白壁の対比が鮮やかな建物、実は上のものと全く同じ設計で建てられたそうですが、色が違うだけでこんなにも印象が変わるんですね。
現在は「衣掛クラブ」の名称で社員施設として使われているそうで、現在も非公開です。
2棟の建物は、昭和62年に兵庫県「ひょうご住宅百選」、1989年に「姫路市都市景観重要建築物」に、2009年には経済産業省「地域活性化に役立つ近代化産業遺産」に「ダイセル化学工業網干異人館」の名称で認定されました。
この2棟に隣接して、白とグレーを基調とした同じようなコロニアルスタイルの平屋建ての異人館が見えます。特に説明などが設けられていなかったので詳細は不明ですが、遠目からでも綺麗な建物だとわかります。
訪問日:2010年5月8日
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます