豊岡市出石町下谷に鎮座される「石部(いそべ)神社」。式内社で、旧社格は郷社。御祭神は 石部氏の祖神とされる『天日方奇日方命(あめのひかたくしひかたのみこと)』『大山積神・大巳貴神・大物主神・事代主神・健御名方命・高彦根命・瀧津彦命』を合祀。
「創建は不詳。社伝では、当初は坪井村に鎮座したといい、のち文禄4年(1595)には毘沙門町の丘上に遷座、さらに寛永3年(1705)11月に現在地に遷座したと伝える。天明年中(1781~1788)、谷山で大火が発生した際、いかなる御神威か、社殿屋上より大雨が降り注ぎ、あたり一帯の火は消滅したと伝えられる。出石藩藩主の小出家・仙石家から崇敬を受けたという。」
入母屋造、瓦葺の拝殿は昭和10年(1935)の造営。
拝殿後方、覆い屋の中でお姿は見えませんが、昭和9年(1934)に一瀬粂吉氏により建立された二間社流造、銅板葺の本殿が鎮座します。
拝殿前玉垣の内より神域を守護されるのは、明治41年(1908)9月建立の出雲丹後系の狛犬さん一対。剝離も傷もなく美しい姿。
画像が少ないので(笑)斜め後ろから
「摂社:皇大神宮」。御祭神は『天照大御神・品陀和気命・太田命』配祀『豊受皇大神』合祀『玉依比売命』。 右手に小さく「摂社:天満神社」が鎮座されています。
樹齢1,000年と伝えられる御神木「幸の大けや木」。「ひょうごの巨樹・巨木100選」で、市の天然記念物にも指定されています。
参拝日:2011年3月31日
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御神名一口メモ
『天日方奇日方命(あめのひかたくしひかたのみこと)』、大神(おおみわ)氏の祖。父は「事代主神」。母は「活玉依媛」。妹の「媛蹈鞴五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめのみこと)」は神武天皇の皇后。
天磐船に乗り天界より降下した饒速日を祖とする物部氏は巨石信仰と関係が深く、その総氏社は石上神宮。
当然、石部一族もその影響下に置かれたとみられ、事実全国の石部という地名は何らかの形で物部氏との関連性が認められているようです。
ところが当の石部神社の祭神はすべからく日方奇日方命。
三輪氏や賀茂氏の祖とされますが物部との関連は希薄。
個人的には物部氏滅亡を受けた石部一族や石部神社側が意図的に物部色を排して生き残りを図ったのでは?等と妄想してしまいます。
まっちさんのお話を伺うと「意図的に物部色を排除」という説に頷かされます。
こちらの石部神社も、長い歴史を持っていると伝えられますが、その創建は全く不詳。
・・考え想像し出すと止まらなくなる悪癖が頭をもたげそうなので、自粛します(笑)