田切通信

旅行に写真に究極超人あ~るに飯田線田切駅

田切冬掃除2006-7

2006-01-20 21:03:06 | 飯田線の旅
 神社の裏口を抜けて道に出ると、なんだ、目的の店のすぐ横だった。
馴染みの和菓子屋で「赤門や」という。当日は1月の14日だったが、1週遅れで七草がゆをやっているはずだ。店の前に行くと、七草の案内看板が出ている。去年までは飯田駅のすぐそばに店があったので、リンゴ並木のちょっとした広場でやっていたのだが、今年は店の駐車場でやるようだ。朝からずっと雨が降っているので、ブルーのシート、通称ドカシーを屋根代わりに張って会場を作ってある。
 とりあえず店の方に入って、新年のご挨拶をする。赤門屋の女将さんとはもう十年以上のお付き合いだ。伊那弁でしゃべるとても愛らしい方で、僕は大ファンなのだ。今日は七草の準備で大変忙しいようで、あまりお邪魔をしてもいけないと思い、出ようとしていたら、店の奥に呼ばれた。
11時から近所の子供達がやってきて、七草の行事が始まるのだが、そうなると忙しいので、その前にお茶を飲んで七草がゆを食べようと言うのだ。
お茶と言っても、ちゃんとしたお抹茶で、和菓子も、この日の為に特別に作った七草の一つ「スズナ」すなわち「カブ」の形をした小さな和菓子だ。まずお菓子を頂き、その後で抹茶を飲む。局長は抹茶が苦手なのだ。お茶の後に七草がゆを食べる。昨夜から酒浸りの胃には実に優しい味だ。七草はそれぞれになにがしかの薬効のある薬草なのだそうだ。少し青臭いがすがすがしい春の香りだ。

 ご馳走になったお礼に、お手伝いする。雨の中、ミニFMの取材があって、だんだん子供達が集まってきた。歌を唄いながら七草を刻んで、それを軽く茹でておかゆに入れる。子供達が楽しそうにしているのが印象的だった。この歌は、地方によって歌詞や節が少し違うようで、親から子に歌い継がれる伝統なのだ。それを絶やさずに守っていこうという強い意志が感じられる。これは飯田市とかがやっている公の行事ではなく、赤門屋の女将さんが中心になってやっている私の行事で、今年で7回目になるのだという。
 雨の中1時間ほどお手伝いをして、店を出た。