田切通信

旅行に写真に究極超人あ~るに飯田線田切駅

田切冬掃除2006-8

2006-01-22 21:37:08 | 飯田線の旅
 雨の降る中、店を出て鼎駅に向かう。赤門やさんの前の道は、洒落たカフェやヘアサロンなど、ちょっとこんな田舎に似つかわしくないモダンな趣の店が何軒か並ぶ場所だ。店は高台にあるので、眼下に駅が見える。道をそれこそ道なりに進むと、だんだんと下りながら、大きく右にカーブして、駅に至る真っ直ぐな道に出る。どこか見覚えが・・・そう、来る時に、神社の森を見ながら左の折れた交差点の少し先だ。そうか、あそこで曲がらずに、真っ直ぐ進めば、道に沿って左にカーブして、店と神社の裏に至った訳だ。
 店への道をもう一度整理すると、駅を出て駅舎を背にして左手にある踏切を越える。後は上り坂を真っ直ぐに進み、道に沿って大きく左カーブ、先の方に見える大きな森のすぐ手前左側に、お菓子の「赤門や」がある。
お菓子が美味しいので、お急ぎでない方はちょっと坂を歩いて行ってみるといい。

 この寒い時期の雨の中、局長は小さな傘をさし、僕はと言うと傘が無いので、濡れながら歩く。帰りはずっと下りだから、運動不足気味の局長でも大丈夫だ。程なく鼎駅に戻る。駅から見ると、成る程線路の向こうの高台に、さっきまで居た店の裏側が見るではないか。
 晴れていれば歩いていこうと思ったが、この雨ではこれ以上濡れていると風邪をひきそうだ、そこで飯田線で移動することにする。次の目的地は飯田だ。列車時間の都合で飯田で約1時間の待ち合わせになる。この時間を利用して昼食を食べようという魂胆なのだ。

 さて、飯田では何を食べようか?飯田は和菓子屋はいっぱいあるのだが、これと言った名物の食べ物がない。だから何を食べてもいいとも言えるが、だからといってコンビニの弁当ではあまりに旅の気分に合わない。
 雨に濡れるのも嫌だから、駅前のユニーにでも入って食べようかと、局長と相談する。

田切冬掃除2006-7

2006-01-20 21:03:06 | 飯田線の旅
 神社の裏口を抜けて道に出ると、なんだ、目的の店のすぐ横だった。
馴染みの和菓子屋で「赤門や」という。当日は1月の14日だったが、1週遅れで七草がゆをやっているはずだ。店の前に行くと、七草の案内看板が出ている。去年までは飯田駅のすぐそばに店があったので、リンゴ並木のちょっとした広場でやっていたのだが、今年は店の駐車場でやるようだ。朝からずっと雨が降っているので、ブルーのシート、通称ドカシーを屋根代わりに張って会場を作ってある。
 とりあえず店の方に入って、新年のご挨拶をする。赤門屋の女将さんとはもう十年以上のお付き合いだ。伊那弁でしゃべるとても愛らしい方で、僕は大ファンなのだ。今日は七草の準備で大変忙しいようで、あまりお邪魔をしてもいけないと思い、出ようとしていたら、店の奥に呼ばれた。
11時から近所の子供達がやってきて、七草の行事が始まるのだが、そうなると忙しいので、その前にお茶を飲んで七草がゆを食べようと言うのだ。
お茶と言っても、ちゃんとしたお抹茶で、和菓子も、この日の為に特別に作った七草の一つ「スズナ」すなわち「カブ」の形をした小さな和菓子だ。まずお菓子を頂き、その後で抹茶を飲む。局長は抹茶が苦手なのだ。お茶の後に七草がゆを食べる。昨夜から酒浸りの胃には実に優しい味だ。七草はそれぞれになにがしかの薬効のある薬草なのだそうだ。少し青臭いがすがすがしい春の香りだ。

 ご馳走になったお礼に、お手伝いする。雨の中、ミニFMの取材があって、だんだん子供達が集まってきた。歌を唄いながら七草を刻んで、それを軽く茹でておかゆに入れる。子供達が楽しそうにしているのが印象的だった。この歌は、地方によって歌詞や節が少し違うようで、親から子に歌い継がれる伝統なのだ。それを絶やさずに守っていこうという強い意志が感じられる。これは飯田市とかがやっている公の行事ではなく、赤門屋の女将さんが中心になってやっている私の行事で、今年で7回目になるのだという。
 雨の中1時間ほどお手伝いをして、店を出た。

田切冬掃除2006-6

2006-01-19 22:05:12 | 飯田線の旅
 鼎の駅舎を出て左右を見渡すと、左の方向(飯田方向)に踏切があった。まずはこれを目指し、線路を飯田線市内ループの外側に越える。目的の大きな森はだいぶ左手の奥だが、道はそれと無関係に真っ直ぐに続いている。斜めに進む枝道はないが、先の方で左右に横行する道が何本もクロスしているから、適当なところまでこの真っ直ぐな道を進んで、左に方向を変えればよかろう。道は踏切を越えてからずっと上り坂で、しかも先に行くほど傾斜が急になっている。最近運動不足の局長は、早くも息が上がっている。
 大きな森を横目に見て、そろそろよかろう!と、十字路を左に折れた。これまた真っ直ぐな道の一番奥に大きな森が見える。意気揚々と進むと程なく森に着いた。当たりだ確かに神社だった。周りを見渡すが・・・・お菓子屋はおろか店がない。う~ん・・すぐ近くに稲荷がある。そちらだろうか?気を取り直して80メートル程離れた稲荷に向かう。稲荷は朱塗りの鳥居が目立つのですぐに分かったが・・・この周りにも店はない。
 菓子屋は何処に?

 局長と僕は、その場で臨時会議を開き、新たな方針を決定した。神社は大きいので、とりあえず中に入り、裏側に抜けてみよう!と言うことだ。しかし神社は急斜面にあって、入り口から社殿までは長く急な石の階段が続いている。局長はそれを見ただけで尻込みしているのだ。
 石段をずんずん上がると、社殿があって、その脇を裏に向ける道が続いている。見て気が付いたが、神社入り口のある道より、裏口の方の道の方が、道としては広く立派だった。その立派な道沿いに、何軒も店があるようだ。
 どうやらこっちが真の正解だったようだ。

田切冬掃除2006-5

2006-01-18 21:16:01 | 飯田線の旅
 当初、下山村で降りて電車と競争コースを写真に撮ろうかと考えていたのだが、こう雨がきつくては、大荷物を持って延々と町中を歩いて写真を撮るのはちょっと無理だ。そこであっさり計画を変更して、鼎で降りることにする。鼎は「かなえ」と読む。「願いを叶える」の「かなえる」と同じ発音なので、縁起がよい駅名とされている。駅で降りて気が付いたが、かつて駅舎の片隅にあった駅そば屋が根こそぎ無くなっている。本日最初の駅そばをすするつもりだったので、誠に残念だ。
 鼎で降りたのは、馴染みの和菓子屋が最近この駅近傍に移転したからだ。まだ、新しい店に行っていなかったので、この機会に是非顔を出しておこうと言う訳だ。ちなみに前の店舗は飯田駅から真っ直ぐ道を下った先にあった。何事に付け行き当たりばったりの僕らは、その新しい店の場所をきちんと調べておかなかった。分かっているというか、調べておいたのは、
1.鼎駅で降りて、飯田線のループの外側にある。
2.神社のすぐそばにある。
の2点のみ。何といういい加減さだろうか。こんなんで、行ったこともない店を探し出せるのか?僕らの実力が試されるのだった。

 最初に考えたのは、神社は大きな森に囲まれているであろう。と言うことだ。そこで駅から線路の外側方向を見渡すと、あるある。大きな森が駅の左手方向に見える。そこに真っ直ぐ行く道はさすがにないので、まず目の前の障害物である線路を渡る場所を探さなければならない。

田切冬掃除2006-4

2006-01-17 21:04:15 | 飯田線の旅
 駅前の2階デッキに上がり、ベンチでカップ麺をすする。このデッキは駅の建て替えに伴って新設されたもので、かつてはここが駅前の噴水広場だった場所だ。OVAそのままの噴水とベンチなどがあって、僕も春~夏場の暖かい時期は、わざわざ最終便で乗り付けてベンチで野宿をしたものだ。
 薄暗い駅前のベンチで、胡散臭い成人男子が2人でカップ麺チリトマト味をすすっている姿は、今にして思えば他人には不気味だったろう。一歩間違えばホームレスの方そのままだ。

 豊橋から飯田方面への始発は朝6時。それに合わせて改札をくぐりホームに向かう。こんな早い時間でも、けっこう乗車客が多い。それでも、2人でボックス席を占領できた。大荷物を棚に上げて席に落ち着くと、おもむろに缶ビールを出してぐびぐび始める。僕らは電車旅となると、常になにがしかの酒をちびちび飲んでいるので、ほろ酔い加減で旅をするのもまた楽しいものだ。夜行のMLながらでの夜更かしが効いたのか、程なく僕も宇宙局長も、うとうとし始める。所々意識がなくなりつつ、終点の天竜峡駅に向かった。
 雨はそれほど強くないのだが、止む気配はない。飯田線沿線では基本的に屋内型の娯楽施設がないので、雨は大敵だ。しかも今回の旅は、飯田駅周辺を見て歩くのが第1の目的であるから、なおさら雨は痛い。
 終点の天竜峡に到着すると、ホームの向かい側に次の列車が待機している。あまり待ち時間もないので、駅で一度外に出ないでそのまま乗り換えた。現時点でこの先どうするのか、細部の予定は特に決めていない。
 最近は「旅の前に詳細に予定を組んで、その通りに実行する」という行為を一切やらなくなった。実に行き当たりばったり、その時の気分や状況で予定をころころ変えてしまうのだ。
 この雨だ・・・さあ、どうしよう。