「さよならドビュッシー」から始まり、「おやすみラフマニノフ」「いつまでもショパン」
「どこかでベートーヴェン」「もういちどベートーヴェン」と続く中山七里の音楽シリーズ。
今回はモーツァルト。
冒頭で、ついこの間練習していた『トルコ行進曲』の描写が出てきて、
私が一番苦手で苦痛でしかない部分を、
“絶え間ない運指が脳と直結し脳内麻薬を分泌しているような錯覚にすら陥る。
演奏を進めながら曲が終わってしまうのを惜しむのはこういう時だ”
と表現され、私はピアノには向いてないんだとさえ思わされました。
まぁ、老化防止のための指の運動が一番の目的だから、そんなに完璧は求めてないけどさ。
ネタバレしないように紹介しようとすると、この凪良ゆう氏の帯評はすごい的確。
「流浪の月」を読んだ時と同じで、自分は恵まれて生きてきたんだとつくづく実感させられる、
私の周りにはあり得ない、いろいろな痛々しい人生があるんだと、
知るだけでも読んだ価値アリなのかな。
せめて自分の周りの人たちの話はよく聞いて、お互い助け合って生きていかなければ。