友だちに、もう読んだ と勧められたのが昨年春のこと。
すぐに図書館に予約して、待つこと1年以上。
気がつけば、文庫本になってるじゃない。
それならば買って読みましょう、ということで、ようやく読み終わりました。
幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない?父?と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つときーー。
大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。
次々に親が変わるというあらすじから、育児放棄や虐待が題材かと思いきや、
暗い所が全然ない、あたたかいストーリーでした。
「経済的な安定ではなく、そばにいる人が静かに見守ってくれることで得る平穏さ」
という文章が、胸に沁みました。
そして、薦めてくれた友だちや、世間のコーラスに縁のない人たちには、
まるでひっかからない部分なんだろうけど、
私と同級生たちには、感動的な所が・・・
主人公が高校生時代に、合唱祭のピアノ伴奏を引き受けるんだけど、
その曲が 「一つの朝」 なんです
これは私たちの高校生時代の記念となる曲で、その難しさや素晴らしさ、
文章で読んでるだけでも、ピアノの前奏やサビの部分が頭の中に鳴り響きます。
たとえば涙に分かれること
たとえば勇気と知り合うこと
たとえば愛を語ること
ときには孤独と向き合うこと
旅立ちはいくつもの出会い
そして、いずれ主人公の夫となる彼のクラスの曲は、「大地讃頌」です
順番を待ち続けた図書館の予約は、1年半たった今でも82人待ち。
人気なんだなぁ。 そろそろキャンセルしましょう