メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

エール!

2015年11月05日 | 映画
エール! を観た。

4人家族で長女のポーラ以外全員耳が聞こえない。
ポーラが家族の通訳やスポークスマンとなっているのでポーラを通じて社会と繋がる絆の強い家族の物語。
しかしポーラには凄い歌の才能があることがわかり家族を取るか?歌を取るか?
ものすごいジレンマに苦悩する。
ってお話。


フランスで4週連続No.1だそうで。
最近フランスのヒット映画がちょいちょい世界に出ていきますが。

最初に言いますが、超名画です!!
自分の人生でも10本の指が入るくらい泣いたかもな映画です。

映画館で観てて、クライマックスには目とかじゃなくて胸の奥の方からこみ上げてきてしまって。
「あ・・・ヤバイ、コレ声だしてなくかも!」
って状況でかなりピンチでした。

おじさんが一人で映画館で号泣してたらヤバイですからね。
でもかなりの量の涙をたらしましたよ。
周りも泣いてたので。

無茶苦茶演出のセンス良かったしコメディもかなり面白かったし音楽も良かったし。

脇で小ボケが繰り広げられる演出は朝ドラまれみたいな感じだったし。

耳が聞こえない一家なので基本的に家族たちの騒音が大きいのよね。
それを無説明で分かり易く伝えるのは素晴らしい。

騒音大嫌いな神経質人間な僕だとこの環境では暮らせないけど。。。

手話でのやり取りが多いのだけど、ポーラと手話してる時は殆ど手話の字幕が出ないのですよ。
で家族たちのアクションとそれを返すポーラの台詞で何のやり取りをしてるか?を伝えるんだけど。
テンポも凄い良くて。

家族に「みんなに告白しなきゃいけないことがある」と言うポーラに食い気味で手話するお母さん。
それに更に食い気味で突っ込むポーラ
「妊娠じゃないわ」と。

夫婦仲良すぎてセックスばかりしてるんだけど、もう下ネタにうんざりしてるポーラの感じが素晴らしくてね。
性病になった両親を病院に連れて行って、先生も戸惑いながら思春期の娘に通訳を頼む感じとか面白くて。
内容はなかなか過激だけどポーラが慣れきってる態度で平然と通訳するシーンとか素晴らしいセンスです。

コレはまた恋愛大国フランスの文化を伝える非常にわかり易い映画でもありますね。
フランス人がこうして敢えてフランス人の性に対するオープン感を描くのは素晴らしいと思います。

家族の中で明らかに負担が多くて、周りの友達と比べてもかなり不憫な環境なのにポーラがその感じを殆ど見せず、健気に頑張ってるのがたまらなくて。
なのでそのせいで周囲の人々に沢山誤解されてしまう設定で。

家族の緊急事態には常にポーラが居なきゃいけないがそれを言い訳にしないし、
歌をやりたいことを家族に言えないし。

でフランス映画を観てるとちょいちょい出てくるパリに行く!という展開。
日本でも東京に行く的な話は無くは無いが、
フランスにとってのパリはその比じゃない気がします。

日本はあちこち都会だけど、その中で東京が一番都会だけど。
どちらかと言えば田舎の風景、農業や畜産業の印象も強いフランスではパリだけが抜けて都会なイメージがあります。

だからフランスではパリで暮らすのとそこ以外で暮らすのは人生において非常に大きな分岐点なのだと想像します。
そういう感じも良く伝わりました。

しかしクライマックスは泣けました。
そうきたかー!それはヤバイ!!って思いました。

で、ちょっと僕の人生における映画の話になるのですが。
僕が思春期に酷く憧れたリバー・フェニックス。
彼の作品で最も好きな”旅立ちの時”って映画があるのですが。
この映画の本質がそれにかなり近いなーと観ながら思っていて。
指名手配されてて身分を隠して移動し続ける家族の中で育った息子にはピアノの才能があって。
でも一緒に居なきゃいけない宿命の家族のお話でね。

中学生の頃この映画とニュー・シネマ・パラダイスを観て僕の人生のスタイルは決まった気がするんですよね。
愛する家族から離れよう!と強く決心した映画だったのです。
何か大きな事を成し遂げるには親元にいてはダメだ!と決心した14歳だったわけです。
そんな遠い昔の記憶を思い出させてもらえた映画でした。

なので将来に夢を抱く思春期くらいの若者たちにも観てもらいたい映画ですね。
あと結構綺麗なフランス語だったのでフランス語の勉強にもなる気がしました。

僕はそもそもフランス語の響きが好きなので勉強してるけど。
同じような欧米人が演じてても明らかに英語よりかは雰囲気良くなるのよね。
ただやはり殆ど理解できなかったのが悔しかったです。

劇中にスペイン語の授業してるシーンありましたけど、
フランス語とスペイン語って似てるからずるいなーって気持ちで観ていました。
日本人がスペイン語学ぶより圧倒的に有利じゃね?と。

個人的な好みを強く含めての評価はしない主義ですが、
コレはちょっと想像以上の名画でした。
コレを書きながらでも思い出し泣きしてしまいそうです。


そんなわけで10点です。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。