グッド・ストライプス を観た。
自由奔放な文化系女子の緑(28才)と優柔不断なおぼっちゃまの真生(28才)。
2人の交際は4年が経ち、いわゆるマンネリカップルになっていた。
8月、真生のインド出張が決まる。
次に会えるのは3か月後になるというのに全く寂しそうじゃない緑。
素っ気ない態度の緑に対して、ふてくされたままの真生はインドへと旅立っていく。
10月、慣れない土地で血迷った真生は、緑へ毎日メールを送っていた。
その都度やる気のない返信はあったが、2か月目にさしかかると、ついに連絡が途絶えた。
そんなある日、緑は具合が悪くなりトイレへと駆け込む。
「・・・・・・妊娠したかも」と気づいた緑。
思いっきり泣きはらし、気持ちが落ち着いてから久しぶりに真生へメールを送った。
11月、真生がインドから帰国し、緑と病院に行く。
そして真生の母・里江に緑を紹介するが、そのまま医師である里江に診察をしてもらう。
「どうして5ヶ月も気づかなかったの?
つわりは?出産はどこでするの?実家に帰るの?」と問いただされ、何も気づかず、全く何も考えていない緑に呆れる里江。
妊娠5ヶ月目に入っている事実に愕然とする2人は、「あ・・・・・・結婚・・・・・・する?よね」「・・・・・・うん。どうして?」「・・・・・・いや・・・・・・一応・・・・・・」と、流れで結婚を決め、準備を進めていく。
まず、緑は真生の家へと引っ越す。
大雑把な緑と神経質な真生、一緒に住みはじめても全く正反対の2人は些細なことでも揉めてばかり。
次にお互いの家族を紹介する。
真生は幼いころに両親が離婚、長く連絡をとっていなかった、和歌山で暮らす父親の吉村に連絡をとり、仕事の都合で上京した父親と久しぶりに会う。
そのまま緑の働くレストランへ連れていき紹介する。
続いて真生が緑の実家へ挨拶に向かう。
緑が生まれ育った昔風の日本家屋に新鮮さを感じたり、仲の悪い姉・美幸から緑がバンドをやりたくて上京したことや、金髪のヘアスタイルで口元にピアスをあけた昔のパンキッシュな昔の緑の写真を見たりと、今まで知らなかった緑の過去を初めて知る。
って話。
ちょっと気になってたんですが、
「ほう、なかなか良いじゃん」くらいの映画を予想して観に行きました・・・。
面白い!!
これぞ僕の求めるハイセンス映画ですね。
若手の女性監督、岨手由貴子監督ですが、すぐに優れた才能を持ってる人間と伝わりました。
最初の30秒位でもう伝わるくらいザ・ハイセンスな映画ですぐにテンション上がってしまいました。
最近秀逸な韓国映画を観て、流石韓国映画はスケールデカくて凄いなーと思いましたが、
逆にこういう繊細さと何気ない空気感をこんな高品質で作れる文化は日本特有な気がします。
こういうのが世界に誇れる日本人のセンスだと僕は思います。
全編通して見事過ぎるハイセンスなセリフのやり取り。
間と言い、言い方と言い、内容と言い。
こういうの作れる人に嫉妬しちゃいます。
菊池亜希子演じる緑の社交的な妹が中村歩演じる真生の事を呼び捨てにしてるんです。
(つまり姉の婚約者を呼び捨て)
ぼーっとした感じの真生は抵抗ゼロな感じでその関係性に馴染んでるんです。
例えばこういう些細な設定なんですよね、気づかないような振幅で心に響いて来るのは。
お母さんをちゃん呼ばわりする子供の設定とかたまにありますが、
そういうのがハマってる映画とか非常に好きです。
緑がデキ婚を両親に報告しに行きますが、唯一事情を知ってる妹に
「妊娠のことは言わないで!、妊娠って何か性的ニュアンスあるから!」
とか言うシーンとか超わかります、こういうセリフを入れてくるのがイチイチセンス良すぎます。
プロポーズも適当だし、
結婚式をとても小馬鹿にしてる感じとかも良かったです。
しかも新婦が特にウェディングプランナーとのやり取りに引いてる感じとか素晴らしかったです。
「こんなダサいドレス、どうやったら思いつくんだろう?」
なんて言ってました。
とにかくごくごくありふれた、スナック菓子食いながらビデオ観てるみたいなダラダラした日常シーンを、
こんなに素敵に描いている映画は素晴らしすぎます。
細かなエピソードが幾つかありましたが、
そしてそれぞれの登場人物たちにまつわる小さな事件が起きますが、
大衆向け映画みたいな起承転結はしないで何気なく過ぎ去っていく感じの連続です。
一昔前の浅野忠信とかがやってたみたいな、
ありふれた繊細な日本映画のテイストですが時代と共に進化してるのを知れたような気持ちでした。
ハイセンスさと娯楽性がハイブリッドで。
これが現代のハイセンス日本映画だな、と思いました。
菊池亜希子のポテンシャルにはびっくりです。
最近ドラマ・問題のあるレストランでかなり引き込まれましたが、
この人はもっともっと評価されるべきですね。
この映画の影響でもっと評価されるでしょう。
小林聡美みたいなポジション作れるでしょう。
美人だし雰囲気あるし声いいし演技上手いし。
中村歩も素晴らしかったです。
これはもう一昔前の浅野忠信みたいになっていって欲しいですね。
セリフ少ないけと佇まいでもう語ってるみたいな。
花子とアンでもなかなか存在感出してましたが、今後映画俳優として売れて欲しいです。
そんな二人のキャスティングが見事過ぎて脱帽でした。
この物語を良くこの二人でやろうと思ったな、と。
天才クリエイターには見えるものなんですかね?
散々ハイセンスを観させられた後のラストシーンが良過ぎました。
もうセリフを越えた十分過ぎる目線だけの語りでした。
まさに言葉よりも多くを語れる無言の会話です。
たまらない気持ちになってとてもジーンとしました。
だからこういうのが名画なんですよね。
旬の役者使ってないのでなかなか世の人々に伝わらないですが。
こういう作品が映画文化の背骨を作っていくのだと信じています。
伝わって欲しいものですね。
斬新さには少し欠けましたが、ここまで高いセンスを貫かれたら高評価ですね。
そんなわけで9点です。
大好物なやつで観ておいて本当に良かったです。
自由奔放な文化系女子の緑(28才)と優柔不断なおぼっちゃまの真生(28才)。
2人の交際は4年が経ち、いわゆるマンネリカップルになっていた。
8月、真生のインド出張が決まる。
次に会えるのは3か月後になるというのに全く寂しそうじゃない緑。
素っ気ない態度の緑に対して、ふてくされたままの真生はインドへと旅立っていく。
10月、慣れない土地で血迷った真生は、緑へ毎日メールを送っていた。
その都度やる気のない返信はあったが、2か月目にさしかかると、ついに連絡が途絶えた。
そんなある日、緑は具合が悪くなりトイレへと駆け込む。
「・・・・・・妊娠したかも」と気づいた緑。
思いっきり泣きはらし、気持ちが落ち着いてから久しぶりに真生へメールを送った。
11月、真生がインドから帰国し、緑と病院に行く。
そして真生の母・里江に緑を紹介するが、そのまま医師である里江に診察をしてもらう。
「どうして5ヶ月も気づかなかったの?
つわりは?出産はどこでするの?実家に帰るの?」と問いただされ、何も気づかず、全く何も考えていない緑に呆れる里江。
妊娠5ヶ月目に入っている事実に愕然とする2人は、「あ・・・・・・結婚・・・・・・する?よね」「・・・・・・うん。どうして?」「・・・・・・いや・・・・・・一応・・・・・・」と、流れで結婚を決め、準備を進めていく。
まず、緑は真生の家へと引っ越す。
大雑把な緑と神経質な真生、一緒に住みはじめても全く正反対の2人は些細なことでも揉めてばかり。
次にお互いの家族を紹介する。
真生は幼いころに両親が離婚、長く連絡をとっていなかった、和歌山で暮らす父親の吉村に連絡をとり、仕事の都合で上京した父親と久しぶりに会う。
そのまま緑の働くレストランへ連れていき紹介する。
続いて真生が緑の実家へ挨拶に向かう。
緑が生まれ育った昔風の日本家屋に新鮮さを感じたり、仲の悪い姉・美幸から緑がバンドをやりたくて上京したことや、金髪のヘアスタイルで口元にピアスをあけた昔のパンキッシュな昔の緑の写真を見たりと、今まで知らなかった緑の過去を初めて知る。
って話。
ちょっと気になってたんですが、
「ほう、なかなか良いじゃん」くらいの映画を予想して観に行きました・・・。
面白い!!
これぞ僕の求めるハイセンス映画ですね。
若手の女性監督、岨手由貴子監督ですが、すぐに優れた才能を持ってる人間と伝わりました。
最初の30秒位でもう伝わるくらいザ・ハイセンスな映画ですぐにテンション上がってしまいました。
最近秀逸な韓国映画を観て、流石韓国映画はスケールデカくて凄いなーと思いましたが、
逆にこういう繊細さと何気ない空気感をこんな高品質で作れる文化は日本特有な気がします。
こういうのが世界に誇れる日本人のセンスだと僕は思います。
全編通して見事過ぎるハイセンスなセリフのやり取り。
間と言い、言い方と言い、内容と言い。
こういうの作れる人に嫉妬しちゃいます。
菊池亜希子演じる緑の社交的な妹が中村歩演じる真生の事を呼び捨てにしてるんです。
(つまり姉の婚約者を呼び捨て)
ぼーっとした感じの真生は抵抗ゼロな感じでその関係性に馴染んでるんです。
例えばこういう些細な設定なんですよね、気づかないような振幅で心に響いて来るのは。
お母さんをちゃん呼ばわりする子供の設定とかたまにありますが、
そういうのがハマってる映画とか非常に好きです。
緑がデキ婚を両親に報告しに行きますが、唯一事情を知ってる妹に
「妊娠のことは言わないで!、妊娠って何か性的ニュアンスあるから!」
とか言うシーンとか超わかります、こういうセリフを入れてくるのがイチイチセンス良すぎます。
プロポーズも適当だし、
結婚式をとても小馬鹿にしてる感じとかも良かったです。
しかも新婦が特にウェディングプランナーとのやり取りに引いてる感じとか素晴らしかったです。
「こんなダサいドレス、どうやったら思いつくんだろう?」
なんて言ってました。
とにかくごくごくありふれた、スナック菓子食いながらビデオ観てるみたいなダラダラした日常シーンを、
こんなに素敵に描いている映画は素晴らしすぎます。
細かなエピソードが幾つかありましたが、
そしてそれぞれの登場人物たちにまつわる小さな事件が起きますが、
大衆向け映画みたいな起承転結はしないで何気なく過ぎ去っていく感じの連続です。
一昔前の浅野忠信とかがやってたみたいな、
ありふれた繊細な日本映画のテイストですが時代と共に進化してるのを知れたような気持ちでした。
ハイセンスさと娯楽性がハイブリッドで。
これが現代のハイセンス日本映画だな、と思いました。
菊池亜希子のポテンシャルにはびっくりです。
最近ドラマ・問題のあるレストランでかなり引き込まれましたが、
この人はもっともっと評価されるべきですね。
この映画の影響でもっと評価されるでしょう。
小林聡美みたいなポジション作れるでしょう。
美人だし雰囲気あるし声いいし演技上手いし。
中村歩も素晴らしかったです。
これはもう一昔前の浅野忠信みたいになっていって欲しいですね。
セリフ少ないけと佇まいでもう語ってるみたいな。
花子とアンでもなかなか存在感出してましたが、今後映画俳優として売れて欲しいです。
そんな二人のキャスティングが見事過ぎて脱帽でした。
この物語を良くこの二人でやろうと思ったな、と。
天才クリエイターには見えるものなんですかね?
散々ハイセンスを観させられた後のラストシーンが良過ぎました。
もうセリフを越えた十分過ぎる目線だけの語りでした。
まさに言葉よりも多くを語れる無言の会話です。
たまらない気持ちになってとてもジーンとしました。
だからこういうのが名画なんですよね。
旬の役者使ってないのでなかなか世の人々に伝わらないですが。
こういう作品が映画文化の背骨を作っていくのだと信じています。
伝わって欲しいものですね。
斬新さには少し欠けましたが、ここまで高いセンスを貫かれたら高評価ですね。
そんなわけで9点です。
大好物なやつで観ておいて本当に良かったです。