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地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

2010年09月03日 | 映画
久々にこれを観ました。

前回観たのはおそらくもう10年近く前だと思います。
初めて観た時の感動と衝撃と何とも言葉では表現できないジーンは忘れられないです。

夏ということもありCSでやっていたので観ました。

問答無用で満点の名作映画(元はドラマ)です。
今見ても色褪せることのない素敵な少年、少女達の夏の世界。

当時多くのファンが居てロケ地は観光名所にもなっていました。
最近ドラマ『モテキ』でもそれを扱っていました。

今更僕も行ってみたくなりました。

僅か60分ほどの作品ですが、この作品で描かれた少年たちのリアルな演技、少年たちにしか無い世界観の描き方、日本の夏の最高に素敵な描き方は後の映像作成の世界に大きな影響を与えたと思います。

岩井俊二作品特有の滲んだような淡い光。
花火を滲んだ感じで見せられたらそらジーンとなります。
登場人物の背中を追うようなアップ、カメラの揺れ方。
手元のみをアップで捉える手法。
顔だけ陰になっているなずなの登場シーン。
黄色いグラウンドの夏の感じ。
真夏の昼のプールの感じ。
夜にこっそり忍びこむのプールの感じ。
友達の部屋で暑い中ファミコンをしながら日が暮れていく感じ。
みんなで遠くまで無謀に出かけてしまう少年たちの夏の冒険の感じ。
好きな女の子と駆け落ちするようにバスに乗って遠くの駅まで行く夏の日の淡い恋の思い出。

ワンシーンワンシーンがどれも芸術写真の様な素晴らしい完成度です。

僕がジーンとしてしまう夏の風情がふんだんに詰まってますね。

何か昔は僕もこんな夏の世界で暮らしていたなーって思うのです。
当時の夏の一日はこんな感じで冒険に満ちていてとても長く感じていました。
淡い恋と祭りの前の高揚感と祭りの後の寂しさと。
色んな感情を夏で経験しました。

体感時間は年々短くなるので、もう二度とあんな感じで夏を感じる事は出来ないのだなぁと悲しくなります。


夜のプールの中で夏休み中にこっそり転校する予定のなずなが、びしょ濡れの姿で素敵な笑顔で典道に言う
「今度会うのは2学期だね。楽しみだね」
のフレーズは綺麗すぎて切なすぎて何度観ても泣ける自信がありますね。

そして感動に追い打ちをかけるように上がる最後の花火、それを見上げる少年たちの表情。
理由がわからないけれど何度みても泣けてしまうのですよね、これは。


岩井俊二作品は素晴らしすぎて、無駄に感受性豊かな僕は観ると生命のエネルギーを削られる様な気分になってしまうのです。
だから観たいけどなるべく観ないように我慢するのです。
鮮度も保ちたいし。

どうしても精神的にしんどい時とか、悶々とした日々から抜け出せなくなった時用のジョーカーとなっているのです。

スワロウテイルも四月物語もリリィ・シュシュのすべても最高過ぎるのであまり何度も観れないのです。

でも打ち上げ花火は夏毎に観て自分をリセットさせようと思いました。



打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? [DVD]
奥菜恵,山崎裕太,反田孝幸,小橋賢児,岩井俊二,金谷宏二
ビデオメーカー

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