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こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話

2018年12月26日 | 映画
こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話
を観ました。


北海道札幌市。鹿野靖明(大泉洋)は幼い頃より難病の筋ジストロフィーを患い、34歳になる今では体で動かせるのが首と手だけ。
24時間365日だれかの介助がないと生きていけない体にも関わらず、医師の反対を押し切って病院を飛び出し、市内のケア付き住宅で自ら集めた大勢のボラ(ボランティアの略称)に囲まれ、自立生活を送っている。
わがままで、ずうずうしくて、ほれっぽくて、よくしゃべって…!夜中に突然「バナナ食べたい」と言い出したりする自由すぎる男・鹿野を介助するボラは、彼と付き合いの長いベテランから、新人の大学生まで人さまざま。
その一人、医大生の田中(三浦春馬)はいつも鹿野に振り回される日々。
ある日たまたま鹿野宅を訪れた田中の恋人・美咲(高畑充希)まで新人ボラに勘違いされてしまう。
おまけに鹿野は美咲に一目惚れしてしまい、田中は彼の代わりに愛の告白まで頼まれる始末…!
最初は戸惑う美咲だが、鹿野やボラたちと共に時間を過ごす内に、自分に素直になること、夢を追うことの大切さを知っていく。
ところが鹿野が突然倒れ、命の危機を迎えてしまう…。


前田哲監督作品です。

タイトルの通り実話で筋ジストロフィー症の人を描いたヒューマンドラマであることは容易に想像できます。
なのでそれなりにそれなりのもの、恐らくお涙頂戴系なのだろうなとは想像しました。

ただ大泉洋を主演にしていて、病気の主人公が全然人格者じゃない皮肉な設定がそういうベタからの脱却には大きな要素でした。
案の定、本来は同情されるべき障害をもった主人公が全然そういう人物じゃなく。
そんな彼に振り回される周囲の人々に感情移入する作りでした。

僕の好きな映画「パーフェクト・レボリューション」と通ずるものを感じました。

主人公は非常に口が悪くデリカシーがないのですが、そこも想像通りの天の邪鬼です。
誤解されてでも人間的に暮らそうとするがゆえのわがままと言いますか、周りの人間も障害者から学んで居るから持ちつ持たれつだくらいのメンタルで。
そんな感じで、この主人公が要所要所でサラッとめっちゃ芯を食ったような名言をさらっと放つのです。
個人的にはそういう名言集がこの作品のキモでした。
「人間は迷惑を掛け合う生き物なんだよ」
「僕は勇気を出して助けてもらうことにしたんだ」
「人間はできないことの方が多いんだぞ」
などなど。
開眼させるくらいに力を持った名言が多く、こういう繊細なテーマを映画にしただけの価値はあったと思います。

ネガティブ要素としては引っ掛け演出が多いですね。
演出自体がベタなのですが、わかりやすいフリに対する解があり。
え?本当に?ってミスリードする展開もちょっと使いすぎでしたね。

物語のキーになる曲がブルーハーツの「キスしてほしい」だったのが僕には辛かったです。
それやられたら物語関係なく泣けちゃいますよ。

筋ジストロフィー症の主人公を演じた大泉洋は素晴らしかったです。
キャラクター的にはかなり大泉洋っぽかったのに大泉洋感を感じさせない不思議な仕上がりでした。
とてもむずかしい役作りと演技だと思いますが、かなりのクオリティで演じていたと思います。
賞レースで評価されてもおかしくない仕上がりだったと思います。

高畑充希って演技感強いって思うこともありますが、時々めちゃくちゃ演技上手いなって思うこともあり。
今作は非常に演技がうまく感じられす出来でした。
可愛さを出すこともあればそういうのを度外視した演技に走ることもあり。
ルックスはあまり趣味じゃないですが、好きな若手女優です。

三浦春馬が医大生で高畑充希の恋人役でしたが妥当な仕上がりでした。
もともとそこまで好みじゃないですが。

ベテランボランティアを萩原聖人、宇野祥平、渡辺真起子なんかが演じていて流石のクオリティでした。

主人公の父が竜雷太で妥当でしたが母が綾戸智恵で。
綾戸智恵ってもともと女優ポテンシャル高い感じありますが流石の演技でした。

佐藤浩市、原田美枝子といった超実力派も出ていて作品が引き締まっていました。
それくらいの作品でした。


そんなわけで7点。

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