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弥生、三月-君を愛した30年-

2020年06月09日 | 映画
弥生、三月-君を愛した30年-
を観ました。


1986年3月1日。
運命的に出会った弥生(波瑠)と太郎(成田凌)。
「もし、40過ぎても独身だったら、俺が結婚してやるよ!」
互いに惹かれ合いながらも、親友・サクラ(杉咲花)を病気で亡くした事で想いを伝えられずに、別々の人生を選んだ二人。
子供の頃に描いた夢に挑み、結婚相手を見つけ子供が産まれ……。
しかし人生は順風満帆ではなく、離婚を経験し、災害に巻き込まれ、配偶者を亡くし、あの時、抱いていた夢は断たれてしまう。
希望を見失い、人生のどん底に突き落とされていた時30年の歳月を超えて、亡き友・サクラからのメッセージが届く―。


遊川和彦監督・脚本です。
テレビドラマ界の大御所監督の印象ですが最近映画に挑戦って感じですね。
前作の恋妻家宮本はちょっと変わった夫婦像を描いていましたが今作も独特のチャレンジはありました。

一組の男女の30年間を描くという物語です。
長い期間を描くのでポンポンと小気味良く物語が進む手法で。
年によってはじっくり描いて、また別の年は空気感を伝えるだけのコマだったり。

上から下に幕をめくるようなひらひらとした場面転換で年が変わったことをわかりやすく伝えています。
そして特に字幕とかではなくセットの何処かに年が書かれているようなカットで各チャプターが始まるのでそれでわかりやすく年を伝えています。
ちょっとわかり易すぎる気はしましたが老若男女がストレスフリーで観れる感じだと思いました。
それくらい結構イージーなテイストなのにラブシーンはそこそこ濃厚でちょっと複雑でした。

結構予告まんまのタイプで、それを引き伸ばしたような本編です。
最初に運命的な雰囲気だった二人があっという間に結ばれず。
そこからはアンジャッシュばりにすれ違いまくってどんどん歳をとっていってしまうのでどうなるの?という引きはありました。
そして長い期間を描いてるだけの回収による感動はありました。
構造は変わってますが演出は王道的なので見やすいと思います。

舞台の一つが仙台で震災の描写がありやっぱり自分には怖くてPTSDは治らないと実感しました。
ちょっと軽くも感じる内容なので震災で深刻さや泣きのシーンを作ろうとするのは複雑に思いました。
その辺はクオリティによってOKかNGかの判断が変わりますね。

主演の波留は高校生からおばさんになるまでを演じていましたが懸念していた程の無理は無く自然に見れました。
しかもめちゃくちゃ正義感強い元気ハツラツな高校生時代。
そのままの感じで正義感強い教師になっている時期。
震災での事故をきっかけに一転ネガティブでちょっと病んだ感じになるおばさん時代と見事に演じていました。
ルックスも適度で実力派な雰囲気があって良いですね。

相手役の成田凌も同じく高校生時代からおじさんになるまで演じていましたがかなり成立していたと思います。
ルックス的な説得力が必要なこの役をやれる役者と考えたら数は全然居ない気がするので適役だと思います。
序盤にサッカーをやるシーンがありましたが普通に上手で驚きました。
終盤には実在のベガルタ仙台のコーチになっていました。

二人の高校時代の友人役を杉咲花がやっていました。
言うまでもなく実力派ですが、ピンポイントな出演でした。
それでもストーリーに非常に重要な役割で見事な存在感を放っていました。

成田凌の息子役を岡田健史がやっていました。
テレビドラマで見て結構気になってますが今後は主役級になりそうですね。

波留の夫役を小澤征悦がやっていました。
演技派でダンディで結構好きなんですよね。
真面目な役から三枚目までやれて各所でしっかり存在感を出しますね。

成田凌のお母さん役を黒木瞳が演じていました。
歳とともに役のフェーズは変わってますが相変わらず綺麗ですね。
非常に上品なのでゆくゆくは八千草薫さんの後継者になりそうですね。

少しチャレンジな構成と標準的な演出と。
それでも品質はそれなりなので楽しめるロマンチックな作品でした。


そんなわけで6点。

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