メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

デッド・ドント・ダイ

2020年06月13日 | 映画
デッド・ドント・ダイ
を観ました。


警察官が3人しかいないアメリカの田舎町センターヴィルで、前代未聞の怪事件が発生した。
無残に内臓を食いちぎられた女性ふたりの変死体がダイナーで発見されたのだ。
困惑しながら出動した警察署長クリフ(ビル・マーレイ)と巡査ロニー(アダム・ドライバー)は、レイシストの農夫、森で野宿する世捨て人、雑貨店のホラーオタク青年、葬儀場のミステリアスな女主人らの奇妙な住民が暮らす町をパトロールするうちに、墓地で何かが地中から這い出したような穴ぼこを発見。
折しも、センターヴィルでは夜になっても太陽がなかなか沈まず、スマホや時計が壊れ、動物たちが失踪する異常現象が続発していた。
やがてロニーの不吉な予感が的中し、無数の死者たちがむくむくと蘇って、唖然とする地元民に噛みつき始める。
銃やナタを手にしたクリフとロニーは「頭を殺れ!」を合言葉に、いくら倒してもわき出てくるゾンビとの激闘に身を投じるが、彼らの行く手にはさらなる衝撃の光景が待ち受けていた……。


ジム・ジャームッシュ監督です。
あまり詳しく知らないですがインディペンデント系で地位を確立してる人ですね。
サブカルなハイセンスな雰囲気を感じます。

ゾンビ映画というコンテンツは数ある映画のジャンルの中でも独自の発展と様々な扱われ方をしてきたと思います。
完全に先頭グループで3周目に入っている印象のゾンビ映画ですが。
今作は完全に3周目の映画ですね。

普通のゾンビ映画のフォーマットを少しずつ壊しつつただやりすぎることはなく。
コメディ要素も多いですが思いっきり振り切ってるわけではなく噛み締めて笑う感じです。
そんな感じで全体通してめちゃくちゃシュールな仕上がりです。
よくぞこの規模の企画、このキャスティングでこの内容をやったなと感心しました。

しっかりとゾンビ映画な非常にダークな映像の質感。
非常に閉塞感の強い田舎町という舞台。
バディムービーのようなテイストもあるのに主演の二人ともが凄く無感情でローテンション。
アダム・ドライバーはそんな無感情のままちょいちょいスターウォーズ的なコメディ。

ゾンビがまだ登場もしてないのに猟奇的事件の犯人をゾンビの仕業かも知れないという警官。
自分が常々言うのですが、映画内の世界観の設定がとても悩ましいのです。
例えばゾンビ映画の中の人間たちが序盤ゾンビの存在を信じないような件は山程あるのですが。
そうなるとその世界には映画やドラマや本などのコンテンツが無いってことになるよね?
とか思ってしまうのです。
エイリアンやタイムトラベルに関しても全く同じです。
最近はそういう疑いの件を省く作品が多いですが正直好みです。
仮に自分がその映画の世界の中にいたら同じ可能性は一応探りますよね。
その方がリアリティですよね。
アホなふりして「ゾンビ???」とかならないですからね。
今作はそういう映画です。

そして序盤から特に触れられないけど妙に気になることを言う登場人物。
終盤にようやくそれに触れてびっくりする角度のどんでん返し。
結局どういう世界設定だったのか?とても哲学的な問なのか?となるオチでした。

個人的に最初に犠牲者になると思った人がならなかったり。
予想外に犠牲になる人が居たりして良い展開でした。
終盤の展開のシュールさについていくのはなかなか骨が折れますが嫌いじゃないです。

R15+ですが別に制限要らないくらいにも思いました。
スプラッターなグロテスク描写はありますがダークな感じは無いし。
痛々しさは無いので別に子供が見てもいいくらいには思いますけどね。
ゾンビと言えど人の形をしてるのを傷つけたら駄目ですかね。

主演のビル・マーレイは大好きな俳優ですが彼の良さが出るキャラクターでした。
無感情で偏屈で動じないけどまあまあ積もった感情は持っているという。
渋さを増していて今が一番良いくらいに感じさせますね。

主人公の相棒役のアダム・ドライバーはここ数年一番ノッてる言っても過言では無い売れっ子ですが。
渋いインディペンデント系から大御所作品からこうしたカルト系からスターウォーズまで。
どんな作品でも結果を出し続けているのは凄いと思います。

ティルダ・スウィントンが謎のキャラクターでした。
今作でもここが一番謎すぎのシュール過ぎました。
日本的な文化の暮らしをしつつ死体に化粧をしつつ、死体が動くことへの抵抗の無さ。
そしてSF的な要素、未だにどういうことだったのか?と悩んでいます。

シュールでハイセンスでオリジナリティ抜群のゾンビ映画で好きでした。


そんなわけで8点。
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