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64-ロクヨン-後編

2016年06月11日 | 映画
64-ロクヨン-後編
を観ました。


昭和64年に少女誘拐殺人事件・通称ロクヨンが起きたが、天皇崩御のニュースにかき消された。
その事件を担当した三上(佐藤浩市)は今は広報官として活動している。
ようやく記者クラブと和解でき、ロクヨン被害者に警視総監の訪問を説得できたその時、ロクヨンを模倣した事件が起きる。
刑事部から情報が来ないことに憤り暴動寸前の記者クラブ。
納得できない三上は捜査一課長の松岡(三浦友和)を頼り犯人追跡に同行する。
そしてこの模倣事件がロクヨンへのつながりがあり、三上は独自に真相へと近づいていく。


勿論前編と同じく瀬々敬久監督です。
期待以上に良かった前編でした。

正直前編を観てからこの物語の真相が気になって気になって仕方なかったです。
一体誰が犯人なんだろう?あの人は帰ってくるのだろうか?どんな真相なんだろう?どんな結末になるのだろう?
原作を読んでしまおうか?と思うくらいかなり引っ張られました。
日常生活の中で不意に思い出したりして、こういうオチになるのでは?って思ったりもしました。
こんなことは結構珍しい経験でした。

そんなわけでかなりの期待感を抱いていました。
公開してすぐに、映画館まで早歩きで観に行きました。

軽く前作を振り返りますが、新しい要素も混ぜてうまいこと回想しておさらいしてました。
冒頭に一瞬、前編のとあるシーンの裏側が描かれていたのが良かったです。
ただ思い切り謎の途中から始まるので前編観ずに後編だけ観るのはちょっと無謀だと思います。

いきなりなかなかのテンションで始まり怒涛のままに引きこまれます。
元々非常に豪華キャストでしたが、後編は更にキャストが追加されていました。
新しくロクヨン模倣事件の被害者として緒形直人が出ていました。

緒形直人演じる被害者があまりにパニックで、かなりヒステリックな展開が続きます。
同じように記者会見会場もひどい暴動状態のヒステリック状態です。
こういうヒステリックなやり取りがあまり好きでは無いのでちょっとストレスでしたが。

しかしそれも納得の凄い展開になっていきました。
確かにこれだけパニックになる理由がありました。

かなり見事な物語、展開でした。
多くの人間が絡み、前編でもそれなりに鍵を握っていた人物がクライマックスでも重要なポジションを担っていました。

そして壮大な物語も見事な起承転結で収束しますが。
終盤は非常に上質で奥深い悲しみや感動に満ちていました。
泣きそうな場面がいくつもありました。

みんなが解決できなかった間の14年間に深い傷を抱いていたのがよく伝わりました。
捜査ミスがあったのでみんながそれぞれ胸に人に言えぬ思いを抱いている感じが良かったです。

被害者家族の永瀬正敏演じた雨宮が壮絶で悲しかったですね。
そしてそれがいよいよ実を結ぶ時が来ます。

クライマックスはかなり泣きそうでした。

他の登場人物たちもようやくロクヨンの呪縛から解き放たれて行く感じは素晴らしかったです。

佐藤浩市は今作もしんどい役どころでしたが見事な存在感でこの大作の主演を見事にこなしたと思います。

三浦友和も相変わらずのナイスミドルでこの手の作品に欠かせないですね。

瑛太、綾野剛、仲村トオル、吉岡秀隆、榮倉奈々、窪田正孝などなど非常に素晴らしかったです。
とかく窪田正孝には泣かされました。

個人的に芳根京子と萩原みのりが出ていたのは嬉しかったですね。
しかも全然らしくない荒んだ役をやらされてました。

”映画史に残る傑作の誕生”、”その結末に涙する”は確かに大袈裟では無いですね。
こんなに深く重い物語をこんなに壮大に高品質に描いたのは素晴らしい仕事だと思います。
出ていた役者陣も皆素晴らしい演技していました。
日本映画史の一つのポイントになってもいいと思います。

ところで最近はこういうのを4時間一気に上映してくれませんね。
ちょっとお金がかかるのでできれば1本にしてほしいですね。


そんなわけで8点です。

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