メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

ダンスウィズミー

2019年08月18日 | 映画
ダンスウィズミー
を観ました。


催眠術のせいで、音楽が聞こえるたびに歌い踊り出すカラダになってしまったミュージカル嫌いな静香!
所かまわず歌い踊るせいで恋も仕事も失ってしまい・・・。
さらに、裏がありそうなクセ者たちとの出会いと、度重なるトラブルが!
静香を待つ、ハチャメチャな運命とは!?
果たして無事に元のカラダに戻れるのか!?


矢口史靖監督です。
大大大好物な監督です。
ホームラン率は高い監督ですがそうでなくても長打ではある矢口監督ですね。

ウォーターボーイズ、スウィングガールズ、ウッジョブ、サバイバルファミリーあたりは最高峰です。
結論から先にいうと今作はホームランでは無かったでが流石のセンスは随所に見られました。

宣伝通りに催眠術のせいで所かまわずミュージカルになってトラブルになってしまう設定です。
単純構造で捉えるならばミュージカルへの痛烈なアンチテーゼって感じですね。
演出としては普通に思える、テンションが上がるとBGMバックに歌い踊るラ・ラ・ランドみたいな状態になりますが。
その世界観に居るのは主人公だけで他の人達はあっけにとられて見ているという設定です。
映画やドラマでは当たり前のシチュエーションも現実では実際にあり得ないという改めてのツッコミです。
音楽が止まって我に返ると周りは散らかったり破壊されていたり。

登場人物がポンコツだったり愚かなのでなかなかストレスな強い場面もありますが、上手く回収していくので流石です。
序盤に踊ってるシーンで三吉彩花さんがガッツリパンチラしてたのでその後、かなり集中して見るようになりました。
結局そこ以外は無かったので見事にしてやられた気分でした。

ミュージカル系の作品かと思いきやサバイバルファミリー同様、ベースはなかなか独特なロードムービーです。
おかしな体質になり生活が崩壊してしまい、催眠をかけたまま居なくなったインチキ催眠術師を追って日本中を駆け回りその先々で色々トラブルに巻き込まれる映画でした。

敵のような味方のような不思議な関係性のメンバーとの旅は非常に良い設定ですね。
登場人物たちがガサツで大胆な人間ばかりで神経質な自分にはなかなかストレスな描写が多かったですが全体像で見るとちゃんとバランス感覚はあります。
序盤はしっかりミュージカルでしたが途中からは現実的な歌とダンスになってきて。
現実と虚構の境界線がわかりにくいシーンが多かったです。

ウォーターボーイズやスウィングガールズのようなクライマックス。
最近の矢口監督作品では珍しく、ちゃんとピークを目指してちゃんと大団円があるタイプの作品でした。

矢口監督作品にしては小粒な感じでなかなかライトな作品です。
映像の質感や画面の華やかさなど、映画らしさもちょっと弱めでした。

主演の三吉彩花は久々に大きや役って感じでしょうか。
悪くないですがちょっと物足りなかったのも正直なところです。
矢口作品なので可愛さが売りにする方向性は弱いですが、もう少しルックスが可愛くて弱々しいタイプの方がピンと来たかもですね。
歌唱力とダンス力が必要なので決して簡単な役ではないですが。
今作で評価が上がったかどうかは微妙な気はしました。

主人公の相棒役をやしろ優がやってました。
ガッツリ女優してるのは初めてみたかもですが非常にハマっていました。
独特なルックスや普段よりガサツなダサいだらしない女の雰囲気が見事に出ていました。
これをきっかけに評価を上げて将来渡辺直美やブルゾンちえみみたいにマルチなスターになる可能性も感じました。

chayが途中だけ合流する弾き語りする女の子でした。
イージーライダーでいうジャック・ニコルソンなポジションでしょうか。
さほど難しい要素は無かったですがこのポジションにしては妥当だったと思います。
やしろ優やchayというあまり役者じゃない人をメインキャストに採用してるのは高評価です。

ムロツヨシが思ったより出番少なめで探偵役ですが流石の実力です。

宝田明が実に胡散臭い催眠術師でいい味出していました。

三浦貴大が主人公が憧れる会社の上司でしたがこれいいキャラでした。
胡散臭い計算っぽい笑顔をやたらするのですがそれは見事な演出センスでした。

矢口監督なのでホームランを期待してしまいましたがそれには及ばずでした。
ただちゃんと楽しめたので及第点でした。


そんなわけで5点。

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