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「ごらん、世界は美しい」

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ディアスポリス -DIRTY YELLOW BOYS-

2016年09月09日 | 映画
ディアスポリス -DIRTY YELLOW BOYS-
を観ました。


東京にいるとされる約15万人の密入国異邦人・不法就労外国人たち。国を追われた難民たちですら、日本政府から難民認定を受けるのは至難の業。まともな仕事に就けずに生活は困窮する一方、犯罪に巻き込まれてしまったとしても日本の警察は助けちゃくれないという、過酷な状況下にあった。
そんな中でも、どうにかこの東京で生き延びようと懸命に日々を過ごす密入国異邦人たち。誰にも守ってもらえない彼らは、自らの手で自らを守ろうと考えた。それが、密入国異邦人による密入国異邦人のための秘密組織、裏都庁の始まりだ。
裏都庁には日本の金融庁が関与しない銀行や、厚労省がタッチしない病院、そして警察組織「ディアスポリス」がある。ディアスポリスには日々、弱き異邦人たちが助けを求めて駆け込んで来る。そんな彼らを救うべく、久保塚早紀(松田翔太)はたった一人の異邦警察の警察官として日々奮闘していた。多数の言語を操り、戦いとなれば機転を利かせて鮮やかに敵をやっつける。年齢も国籍も一切不明と怪しいことこの上ないが、その圧倒的知性と深い情けを以て、異邦人たちから厚い信頼を得ていた。
そんなある日。今日も異邦人を守るため死闘を演じ、満身創痍の大怪我を負った久保塚だったが、3日間の昏倒の果てに復活し、仲間の異邦人たちとパーティに興じていた。そんな最中に起こった、裏都民の一人であるマリアの誘拐事件。久保塚は、上司にダマされて多額の横領事件を引き起こした末に裏都民となり、相棒となった鈴木(浜野謙太)と共に捜査に乗り出す。裏都庁の助役であり、害虫駆除会社を営む阿(アー)(柳沢慎吾)や裏都知事のコテツ(康 芳夫)ら仲間たちの協力の下、マリアの監禁先を突き止めた久保塚と鈴木。だが駆け付けた時は既に遅し、無残にもマリアの命は絶たれた後だった。
マリアを殺害したのは、留学生崩れのアジア人犯罪組織「ダーティ・イエロー・ボーイズ」の周(須賀健太)と林(NOZOMU)だった。周と林はその後、誘拐事件の元締めであった誘拐事件の裏でふたりに銀行口座を貸した黒金組のチンピラ・横島までをも殺してしまう。
一方その頃、久保塚と鈴木はマリアが殺害された現場から逃げた若者ふたりが「ダーティ・イエロー・ボーイズ」の周と林であることを突き止めていた。その情報は、黒金組の若頭である伊佐久真人からもたらされたもの。さらに捜査を続けるうちに、とある国から来た不法滞在者たちによって作られた地下教会の存在が周と林の行方を追う唯一の手がかりであると知る。各地にある地下教会を片っ端から捜査する久保塚と鈴木だったが、その途中である理由から仲違い。そして、それぞれが単独で周と林を追うハメになってしまう。
周と林の足取りを追い、西へ西へと移動する久保塚、鈴木。そこに影のように付きまとう伊佐久らヤクザたち…。周と林が西へ向かう大きな目的とは!? 得体の知れない伊佐久の思惑とは!? 異邦人誘拐事件は、いつしか三つ巴戦となって壮絶を極め…。


熊切和嘉監督作品です。
一昔前のインディペンデント系日本映画をハイセンスに踏襲している大変好みの監督です。

テレビドラマも全部観ていましたが、まさしくそんな作風の作品ですね。
恐らくドラマはたいして視聴率良くなかったでしょうが、コアなファンは作る様なしっかりとした作品なので。
映画化は当然って感じですね。

ハードボイルドでワイルドでかっこ良くて男が憧れる世界観。
今となってはちょっと古い気もしますが、自分が若い頃に散々憧れたオシャレ日本映画っぽさはふんだんです。
濱マイクとかあの辺りが好きな人は喜ぶでしょう。

ドラマもドラマらしくなく、テレビにしてはなかなか過激な表現で描いていましたが、
映画は更に壮絶な仕上がりでした。

気だるさ、ガサツさ、説明不足感、残虐さ、ワンシーンで描ききる演出。
どれも好物です。

若い中国人ギャングが破滅的に無謀な犯罪を重ね、ほぼ無計画に容赦なく人を殺していきますが、
そのきっかけと言うか根拠がイマイチ納得いきませんでした。
簡単に言ってしまえば、子供時代に異教徒の息子として迫害された経験が日本で犯罪を重ねる要因になってますが、
この程度のいじめで優しかった子供たちがここまでひねくれて悲しみにくれて殺人鬼になるのはピンと来ません。
そんなに憎しみを抱かなくても・・・って気分でした。

全体的にカッコいいのですが、
ラストは当然久保塚と中国人が対決しますが、それはかなりグダグダでした。
昔、リチャードホールでやってた汗のマークの・・・みたいな感じでした。
ちょっと早送りしたかったです。

松田翔太がこの大役を演じていますがかなり最適ですね。
昔はちょっと苦手な役者でしたが今はすっかり高評価です。
流石のDNAでかなりの雰囲気と演技力とブランド感を持っています。

浜野謙太は今やすっかり名脇役になりつつありますね。
テレビドラマ同様、今作でも松田翔太にめちゃくちゃされてます。
ただちょっと反抗する場面は印象的でした。
見た目も印象的で、独特な相棒感はとても良い感じ。

無謀で破滅的な中国人ギャングを須賀健太が演じていましたが、かなり見事でした。
凄いなりきりでかつての子役とはまるで別人で怖かったです。

真木蔵人は見た目の説得力はありますが、演技がイマイチ素人っぽくて苦手です。
もう少し威圧感とか出して欲しいですが。

安藤サクラ、宇野祥平と好みの個性派が出ていたのは嬉しかったです。

このシリーズの柳沢慎吾は何故かかっこ良くて彼の仕事の幅の広さを感じます。

今の時代にしてはなかなか個性的な雰囲気の作品なのでシリーズ化して続けて欲しいですね。
定期的に見たくなる作品です。


そんなわけで7点。
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