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トップガン マーヴェリック

2022年05月24日 | 映画
トップガン マーヴェリック
を観ました。


アメリカのエリート・パイロットチーム”トップガン”。
かつてない世界の危機を回避する、絶対不可能な【極秘ミッション】に直面していた。
ミッション達成のため、チームに加わったのは、トップガン史上最高のパイロットでありながら、常識破りな性格で組織から追いやられた”マーヴェリック”(トム・クルーズ)だった。
なぜ彼は、新世代トップガンとともにこのミッションに命を懸けるのか?
タイムリミットは、すぐそこに迫っていた——。


ジョセフ・コシンスキー監督です。
近年高評価なSF対策を撮っている印象が強くこの企画の監督にふさわしいと思いました。

それ以上に当然のようにトム・クルーズが制作に関わっているのでほぼトム・クルーズ映画という印象が強いです。
前作はまだ若手アイドル俳優みたいなトム・クルーズでしたがそこから年月を経てすっかりハリウッドの中心になった感慨深さ。
トップガンはトム・クルーズ紛れもない出世作なので彼にとっても大事なのはよく伝わります。

それにしても問答無用にめちゃくちゃおもしろかったです。
そもそも正当な続編の2作目を作るのに36年も空いた作品が他に思い浮かびませんが。
その期間がチャントフリになっています。
ふさわしいストーリーと技術が出来上がるまで待ったというだけの事はあります。

この36年の間に残念ながら前作の監督・トニー・スコットが亡くなってしまいましたがその意志はちゃんと生きてました。
冒頭のシーンに始まりそこから30分近くはほぼ前作をトレースしたような演出で。
それ以外も前作をオマージュするような展開は多かったです。
トム・クルーズが教官にやらかしていた前作を今作では逆の立場でトレースとかはエモいです。

今作を観るにあたり事前に前作を2回ほど観ておいたのでかなりシームレスに見れました。
教官になりたいと言って終わっていった前作をちゃんと繋げてるのは素晴らしいです。
そんなわけで個人的にはつい最近やった映画の続編って思うくらいストーリーも繋がってましたし、
続投してるキャラクターたちの感情も地続きって感じでした。

ストーリーはちょっとご都合主義全開で、
なんでこんなに情報を攻略出来ているのか?
なんでこんなゲームみたいなロケーションにターゲットがあるのだ?
なんでこんな方法しか無いと思いこんでいるのだ?
時代設定的に絶対に他の方法でやるべきでしょ
などなどですが突っ込むのは野暮ってくらいの作風の力強さはありました。
やってることや展開はめちゃくちゃミッション・インポッシブルです。

相手が明確に示されていないですしファンタジーを絶妙に入れ込んでいると思います。
ご都合主義にしてる分ストーリーはとてもわかりやすい仕上がりになってました。
困難もそれをクリアするための条件等もとてもわかり易く示されていました。

前作は社会現象になってましたが自分はそこそこ大人になってから観て、
その頃は作家性の強いインディペンデント系映画ばかりを好んでいたので結構トップガンアンチでした。
イメージビデオみたいなカットやらアメリカ人のサブいノリ全開な演出がなかなか苦手でした。
ただそういう演出はベタとしてハリウッドのみならず世界中の青春映画の一つのフォーマットにたったと思います。
特にプロフェッショナル訓練モノはだいたいトップガン式になったと思います。
そんな自分自身が提唱したベタをセルフカバーしたかのような今作でした。

近年のハリウッド映画では古き良き時代のテイストや世界観を出そうとする作品が多い印象です。
特に80年代オマージュは多い印象ですが。
今作はそういう切り口ではなく現代のセンスでトップガンをやったら自然とそういうエモさも滲み出たという印象でした。
なので作られた古さとは違う熱を持った古さがありました。
リメイクやリバイバルじゃなくちゃんと続編なのがその要因なのかもしれません。

前作では自分の口に合わなかった諸々も今のセンスと技術で描かれると不思議と圧倒的でした。
前作では何をやってるかわからない戦闘機シーンや誰が誰だかわからない操縦シーン。
アクション部分も全体像がわかりずらかったりしましたが今作はとことん見やすくわかりやすかったです。

実際に役者を戦闘機に乗せて撮影してる作り手の気持ちの強さも作品にしっかりと伝わってました。
戦闘機シーンの臨場感や没入感は相当なものがありました。
戦闘も非常にわかりやすく描写されてて力が入りました。

とにかく胸アツで立ち上がってガッツポーズやスタンディングオベーションしたくなるようなシーンがいくつかあり、
終盤には深くにも泣いてしまいました。

自分がトップガンを評価する人間になるとは思わなかったですがオールタイム・ベスト級の面白さで、
今年の流行語やらヒット商品として社会現象敵になっても良さそうなほどの面白さです。

主演のマーヴェリックはもちろんトム・クルーズです。
もはや主演にとどまらないハリウッドのトッププロヂューサーなトム・クルーズです。
前作の相手役のケリー・マクギリスが本人も自虐してるように結構おばさんになってしまったのを考えると、
トム・クルーズのアンチエイジングも素晴らしいと思います。
自己肯定感の強さと天才的なセルフプロヂュースの上手さでいつも言うようにトム・クルーズと木村拓哉は日米のトップですね。
実際に戦闘機に乗ってしまうミッション・インポッシブル感も流石でした。

グースの息子のルースター役はマイルズ・テラーでした。
セッション、ダイバージェント、ファンタスティック・フォーなど色んな作品で大活躍ですが、
存在感的にもこの役にふさわしいと思いました。
前作のあの子供がこんなに立派になったのかと感慨深さもちゃんと感じられました。
ベタなトム・クルーズとの軋轢もこの作品なら許せました。

相手役のバーのマスターはジェニファー・コネリーでした。
前作からの時間で前の恋人とは別れ、更にこの恋人とも別れ今作でよりを戻す流れでした。
まあ元々硬派なイメージは無かったので良いですがチャラい印象にはなりました。
前作とヒロインを変える必要があったのだとは思いますがちょっとそこは残念な気持ちもありつつ、
この設定やクオリティならばありかなと思いました。

トップガンの優等生役をグレン・パウエルがやってました。
前作のアイスマン的なポジションでルースターのライバルとして衝突する役でした。
いかにもアメリカ学園モノから通ずる勧善懲悪の構図には必要な実に嫌なヤツですが、
前作のアイスマン同様にコレももちろん良いフリにはなってます。

アイスマン役は前作同様ヴァル・キルマーです。
前作でマーヴェリックを越えてトップでしたが作中でちゃんと出世してました。
しかも余命いくばくもない難しそうな役でしたが、
前作あんなにもいがみ合っていたマーヴェリックとの絆に胸アツでイチイチ感動的でした。

公開してすぐに行きましたがそこから日にちが経ってからの方が劇場が混んでる印象なのでブーム映画の感じですね。
とにかくめちゃくちゃおもしろいです。


そんなわけで10点。
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