ミナリ
を観ました。
1980年代、農業で成功することを夢みる韓国系移民のジェイコブは、アメリカはアーカンソー州の高原に、家族と共に引っ越してきた。
荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを見た妻のモニカは、いつまでも心は少年の夫の冒険に危険な匂いを感じるが、しっかり者の長女アンと好奇心旺盛な弟のデビッドは、新しい土地に希望を見つけていく。
まもなく毒舌で破天荒な祖母も加わり、デビッドと一風変わった絆を結ぶ。
だが、水が干上がり、作物は売れず、追い詰められた一家に、思いもしない事態が立ち上がる──。
リー・アイザック・チョン監督・脚本です。
コロナ以降すっかり映画から遠ざかってることもあり余り情報がなかったですが妙に気になったので見に行きました。
しかもA24制作と知って、この会社が作ってる映画は個人的に高評価だらけなので。
見てみたらかなり好みのタイプの映画で非常にハイセンスでジーンと泣いてしまいました。
日本人にめちゃくちゃざっくり説明するなら”北の国から”のハリウッド版って感じです。
その手の物語を説明少なめにとにかくジーンとするテイストで上質に描いています。
人間が余り見たくない部分を非常に優しくかつ残酷に描写するようでめちゃくちゃ切なかったです。
夢を抱くけどうまく行かなかったり、余り見たくない両親の姿を子どもたちが見たり。
一つ一つの場面にこれと行った落ちがないタイプで単純な起承転結を提示しないです。
それが絶妙に生々しさを演出していてただただ切なかったです。
嫌な予感をさせるけど特別悪いことが起きなかったり。
この人は悪者かな?なにか悪いことが起きそうだぞ、と思わせてもそうならないし。
駄目と思いきや良いことが起きたり。
かと思いきやそれがすべて良いというわけじゃなく。
登場人物たちが深く思考しながら行動してるので世にある創作物のようなお約束を全然トレースしないです。
それはめちゃくちゃ評価したいポイントでした。
怪しい人が来たけど別にその人が悪いことするわけじゃないし、かと言って良いことをするわけでもない。
いい人でも悪い人でもない人が世の中には多く居ますからね。
明確な善悪を持たずに描かれる劇中の人物をどう判断するかは見る人それぞれの判断という非常にハイレベルな作品でした。
ちょっとした人との接し方で人の印象は変わるけどその繊細さで描いているのは素晴らしいです。
最初は関係性が良くなかった家族も不思議と絆が生まれたり。
それが決定的な出来事が起きるわけじゃなくなんとなくで描いていて、ちょっとしたBGMの素敵さでそれを描写してたりととにかく繊細でした。
ロケーションやそれぞれの状況、ちょっと一昔前の雰囲気など世界観もとても好みでした。
田舎の風景に非常にマッチするBGMも良かったですね。
小さなトラブルがコツコツ起きる話ですが最後には決定的な出来事があります。
それでも物語がそれによるわけじゃなくあくまでそれを体験する家族のお話でした。
映画も音楽も韓国カルチャーがアメリカを席巻してる印象ですがこれまた韓国系でアカデミー賞連続かもと思いました。
大半英語劇ですが韓国映画のハイレベルさがこの辺に通じてると思います。
他の候補を見てないですが今の所これがNo.1かもですね。
この監督がハリウッド版君の名は。の監督らしいので期待値は一気に上がりました。
主演のスティーブン・ユァンはめちゃくちゃいい感じでした。
頼り甲斐あるようで絶妙の哀愁が出ていて演技が非常にうまかったですね。
妻役のハン・イェリは過去に何度か見てるようですが余り記憶になかったです。
個人的に好みの片山友希に似てるなぁと思いながらずっと見てました。
同様に演技が非常に上手でした。
子役のアラン・キムとネイル・ケイト・チョーもちゃんとバイリンガルで演技もうまかったです。
この辺に韓国系映画のレベルを感じます。
おばあちゃん役のユン・ヨジョンが物語の肝でした。
ちょっとガサツなおばあさんから病気で障害を負った演技までかなり上質でした。
結局この人が映画のテーマそのものみたいなメタファー的な存在でした。
使用人的な役でウィル・パットンが出ていました。
この人はバイプレーヤー的にあちこちで見ますがいつでもいい味出しますね。
今作もかなりクセ強い役でしたが作品にとても良い雰囲気を与えていました。
期待値がそこそこでしたがそれを上回るかなり好みの映画でした。
こういう言葉にできない切ない映画は大好物です。
そんなわけで9点。
北の国からを思い出しながらこれを書いていたら田中邦衛さんの訃報がありなんかちょっとだけスピリチュアルな気持ちになりました。
を観ました。
1980年代、農業で成功することを夢みる韓国系移民のジェイコブは、アメリカはアーカンソー州の高原に、家族と共に引っ越してきた。
荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを見た妻のモニカは、いつまでも心は少年の夫の冒険に危険な匂いを感じるが、しっかり者の長女アンと好奇心旺盛な弟のデビッドは、新しい土地に希望を見つけていく。
まもなく毒舌で破天荒な祖母も加わり、デビッドと一風変わった絆を結ぶ。
だが、水が干上がり、作物は売れず、追い詰められた一家に、思いもしない事態が立ち上がる──。
リー・アイザック・チョン監督・脚本です。
コロナ以降すっかり映画から遠ざかってることもあり余り情報がなかったですが妙に気になったので見に行きました。
しかもA24制作と知って、この会社が作ってる映画は個人的に高評価だらけなので。
見てみたらかなり好みのタイプの映画で非常にハイセンスでジーンと泣いてしまいました。
日本人にめちゃくちゃざっくり説明するなら”北の国から”のハリウッド版って感じです。
その手の物語を説明少なめにとにかくジーンとするテイストで上質に描いています。
人間が余り見たくない部分を非常に優しくかつ残酷に描写するようでめちゃくちゃ切なかったです。
夢を抱くけどうまく行かなかったり、余り見たくない両親の姿を子どもたちが見たり。
一つ一つの場面にこれと行った落ちがないタイプで単純な起承転結を提示しないです。
それが絶妙に生々しさを演出していてただただ切なかったです。
嫌な予感をさせるけど特別悪いことが起きなかったり。
この人は悪者かな?なにか悪いことが起きそうだぞ、と思わせてもそうならないし。
駄目と思いきや良いことが起きたり。
かと思いきやそれがすべて良いというわけじゃなく。
登場人物たちが深く思考しながら行動してるので世にある創作物のようなお約束を全然トレースしないです。
それはめちゃくちゃ評価したいポイントでした。
怪しい人が来たけど別にその人が悪いことするわけじゃないし、かと言って良いことをするわけでもない。
いい人でも悪い人でもない人が世の中には多く居ますからね。
明確な善悪を持たずに描かれる劇中の人物をどう判断するかは見る人それぞれの判断という非常にハイレベルな作品でした。
ちょっとした人との接し方で人の印象は変わるけどその繊細さで描いているのは素晴らしいです。
最初は関係性が良くなかった家族も不思議と絆が生まれたり。
それが決定的な出来事が起きるわけじゃなくなんとなくで描いていて、ちょっとしたBGMの素敵さでそれを描写してたりととにかく繊細でした。
ロケーションやそれぞれの状況、ちょっと一昔前の雰囲気など世界観もとても好みでした。
田舎の風景に非常にマッチするBGMも良かったですね。
小さなトラブルがコツコツ起きる話ですが最後には決定的な出来事があります。
それでも物語がそれによるわけじゃなくあくまでそれを体験する家族のお話でした。
映画も音楽も韓国カルチャーがアメリカを席巻してる印象ですがこれまた韓国系でアカデミー賞連続かもと思いました。
大半英語劇ですが韓国映画のハイレベルさがこの辺に通じてると思います。
他の候補を見てないですが今の所これがNo.1かもですね。
この監督がハリウッド版君の名は。の監督らしいので期待値は一気に上がりました。
主演のスティーブン・ユァンはめちゃくちゃいい感じでした。
頼り甲斐あるようで絶妙の哀愁が出ていて演技が非常にうまかったですね。
妻役のハン・イェリは過去に何度か見てるようですが余り記憶になかったです。
個人的に好みの片山友希に似てるなぁと思いながらずっと見てました。
同様に演技が非常に上手でした。
子役のアラン・キムとネイル・ケイト・チョーもちゃんとバイリンガルで演技もうまかったです。
この辺に韓国系映画のレベルを感じます。
おばあちゃん役のユン・ヨジョンが物語の肝でした。
ちょっとガサツなおばあさんから病気で障害を負った演技までかなり上質でした。
結局この人が映画のテーマそのものみたいなメタファー的な存在でした。
使用人的な役でウィル・パットンが出ていました。
この人はバイプレーヤー的にあちこちで見ますがいつでもいい味出しますね。
今作もかなりクセ強い役でしたが作品にとても良い雰囲気を与えていました。
期待値がそこそこでしたがそれを上回るかなり好みの映画でした。
こういう言葉にできない切ない映画は大好物です。
そんなわけで9点。
北の国からを思い出しながらこれを書いていたら田中邦衛さんの訃報がありなんかちょっとだけスピリチュアルな気持ちになりました。