たかが世界の終わり
を観ました。
「もうすぐ死ぬ」と家族に伝えるために、12年ぶりに帰郷する人気作家のルイ。
母のマルティーヌは息子の好きだった料理を用意し、幼い頃に別れた兄を覚えていない妹のシュザンヌは慣れないオシャレをして待っていた。
浮足立つ二人と違って、素っ気なく迎える兄のアントワーヌ、彼の妻のカトリーヌはルイとは初対面だ。オードブルにメインと、まるでルイが何かを告白するのを恐れるかのように、ひたすら続く意味のない会話。
戸惑いながらも、デザートの頃には打ち明けようと決意するルイ。
だが、過熱していく兄の激しい言葉が頂点に達した時、それぞれが隠していた思わぬ感情がほとばしる――――。
グザヴィエ・ドラン監督・脚本・製作です。
あまり知りませんが若き天才なのですね。
超フランス映画な作品なのでフランス内製かと思いきや監督はカナダの方なのですね、意外でした。
それにしても大(おお)フランス映画じゃ。
説明が少なく叙情的で意味深でアーティスティックで。
フランス映画らしい、佇まいと表情とアップと光と陰と自然音などで。
極限まで素材から出てくる味を利用しようとするイメージですね。
家族5人による会話劇ですが、前情報なしで観に行ったので最初はさっぱりです。
前情報ありで行っても印象は変わらないでしょう。
繊細過ぎる家族内での人間関係をつかむのがかなり難解です。
家族5人を演じるのはギャスパー・ウリエル、マリオン・コティヤール、ヴァンサン・カッセル、レア・セドゥ、ナタリー・バイという、
世界的な知名度を誇るフランスの名優づくしです。
フランス人キャストだけですが、日本人の僕にとっても有名人だらけです。
微妙な関係性でギクシャクしている家族。
些細な会話でもイチイチ衝突してギリギリの喧嘩状態になります。
とかくヴァンサン・カッセルの前では他愛のない世間話でさえキレられます。
「何故同じ話をする!」「何故思ってもないことを言う!」「なんでそんな話をする!」
とすぐにブチ切れてきて観ていてかなりストレスです。
母と妹もなかなかやかましいです。
おしゃべりな人間たちが他人の言葉にすぐ切れるので嫌な予感しかない2時間でした。
ほぼワンシチュエーションと言ってもいいような、家の中での会話だけです。
主人公がみんなと話したり個々に話したり。
主人公だけが反動的に無感情で大人しいです。
家族の日常的な口論シーンだけをすくい上げたような作品ですが、意外とそこに本質があります。
家族という近すぎる関係だからこそ通じ合えないことや言えないこと。
そこにフォーカスしている名画だと思います。
ただただ野蛮にすぐキレる兄にも真実を感じさせます。
なんとも言えない悲しさを感じさせました。
極端なキャラクターですが、演出的にはただ会話しているだけです。
それなのに崩壊寸前のなにか、爆発しそうな感情を伝えてきます。
こんな男に車の運転をさせるだけで怖いです。
車のシーンはかなり独特な演出で撮られていて妙な臨場感に満ちていました。
同じようなことが母にも妹にも言えます。
何気ない会話の羅列の中に妙に刺さる本質が込められていました。
主演のギャスパー・ウリエルは相変わらず良いですね。
昨年観たサンローランと似たようなキャラでしたが、そのせいかイチイチアーティスティックな雰囲気を漂わせます。
無口なので何を考えているかわかりにくいですが、表情や佇まいだけで感情を伝えてきます。
誰と電話してるのか?何の仕事をしてるのか?なんかの成功者みたいですが説明は無しです。
マリオン・コティヤールはもうハリウッドのトップセレブのイメージですが、改めてフランス女優だ再認識させられました。
アーティスティックで素晴らしい演技をしますね。
主人公についで大人しく、やはり何を考えているかわかりにくいですが、一番まともな人間に見えました。
兄の嫁でしたが、母と3兄妹の中で必死にバランスを取ろうとするような役割ですね。
レア・セドゥはなかなか好みの女優で、上品な役をやるイメージですが、今作は結構奔放な女の子の役でした。
それでも流石の演技力でヒステリックな表現も素晴らしかったですね。
ヴァンサン・カッセルは顔が怖いので怖い役をやることが多いですが、今作もまた違った怖さです。
頭おかしいのか?ってくらいにすぐヒステリー起こしますが、繰り返し見せられていくうちに深みを感じてきました。
弟と違って優秀じゃない哀しみをそこに抱えているような気がしました。
ナタリー・バイが母でしたが、軽いタイプの女性でいい加減にも見えますが、大きな愛を上手く伝えられていないよう切なさがありました。
アーティスティック気取り過ぎで意味深過ぎる気がしましたが、
フランスの豪華キャストでやるならばやはりフランスらしい映画を期待するので、
フランスらしいフランス映画を期待するならば最適の映画ですね。
ただここまで徹底されると自分のセンスでは理解できている自信もなくなります。
強烈な愛と強烈な哀しみは伝わりました。
相変わらず自分のフランス語力の無さに凹みました。
フランス語映画を見るたびに勉強意欲は増します。
そんなわけで8点。
を観ました。
「もうすぐ死ぬ」と家族に伝えるために、12年ぶりに帰郷する人気作家のルイ。
母のマルティーヌは息子の好きだった料理を用意し、幼い頃に別れた兄を覚えていない妹のシュザンヌは慣れないオシャレをして待っていた。
浮足立つ二人と違って、素っ気なく迎える兄のアントワーヌ、彼の妻のカトリーヌはルイとは初対面だ。オードブルにメインと、まるでルイが何かを告白するのを恐れるかのように、ひたすら続く意味のない会話。
戸惑いながらも、デザートの頃には打ち明けようと決意するルイ。
だが、過熱していく兄の激しい言葉が頂点に達した時、それぞれが隠していた思わぬ感情がほとばしる――――。
グザヴィエ・ドラン監督・脚本・製作です。
あまり知りませんが若き天才なのですね。
超フランス映画な作品なのでフランス内製かと思いきや監督はカナダの方なのですね、意外でした。
それにしても大(おお)フランス映画じゃ。
説明が少なく叙情的で意味深でアーティスティックで。
フランス映画らしい、佇まいと表情とアップと光と陰と自然音などで。
極限まで素材から出てくる味を利用しようとするイメージですね。
家族5人による会話劇ですが、前情報なしで観に行ったので最初はさっぱりです。
前情報ありで行っても印象は変わらないでしょう。
繊細過ぎる家族内での人間関係をつかむのがかなり難解です。
家族5人を演じるのはギャスパー・ウリエル、マリオン・コティヤール、ヴァンサン・カッセル、レア・セドゥ、ナタリー・バイという、
世界的な知名度を誇るフランスの名優づくしです。
フランス人キャストだけですが、日本人の僕にとっても有名人だらけです。
微妙な関係性でギクシャクしている家族。
些細な会話でもイチイチ衝突してギリギリの喧嘩状態になります。
とかくヴァンサン・カッセルの前では他愛のない世間話でさえキレられます。
「何故同じ話をする!」「何故思ってもないことを言う!」「なんでそんな話をする!」
とすぐにブチ切れてきて観ていてかなりストレスです。
母と妹もなかなかやかましいです。
おしゃべりな人間たちが他人の言葉にすぐ切れるので嫌な予感しかない2時間でした。
ほぼワンシチュエーションと言ってもいいような、家の中での会話だけです。
主人公がみんなと話したり個々に話したり。
主人公だけが反動的に無感情で大人しいです。
家族の日常的な口論シーンだけをすくい上げたような作品ですが、意外とそこに本質があります。
家族という近すぎる関係だからこそ通じ合えないことや言えないこと。
そこにフォーカスしている名画だと思います。
ただただ野蛮にすぐキレる兄にも真実を感じさせます。
なんとも言えない悲しさを感じさせました。
極端なキャラクターですが、演出的にはただ会話しているだけです。
それなのに崩壊寸前のなにか、爆発しそうな感情を伝えてきます。
こんな男に車の運転をさせるだけで怖いです。
車のシーンはかなり独特な演出で撮られていて妙な臨場感に満ちていました。
同じようなことが母にも妹にも言えます。
何気ない会話の羅列の中に妙に刺さる本質が込められていました。
主演のギャスパー・ウリエルは相変わらず良いですね。
昨年観たサンローランと似たようなキャラでしたが、そのせいかイチイチアーティスティックな雰囲気を漂わせます。
無口なので何を考えているかわかりにくいですが、表情や佇まいだけで感情を伝えてきます。
誰と電話してるのか?何の仕事をしてるのか?なんかの成功者みたいですが説明は無しです。
マリオン・コティヤールはもうハリウッドのトップセレブのイメージですが、改めてフランス女優だ再認識させられました。
アーティスティックで素晴らしい演技をしますね。
主人公についで大人しく、やはり何を考えているかわかりにくいですが、一番まともな人間に見えました。
兄の嫁でしたが、母と3兄妹の中で必死にバランスを取ろうとするような役割ですね。
レア・セドゥはなかなか好みの女優で、上品な役をやるイメージですが、今作は結構奔放な女の子の役でした。
それでも流石の演技力でヒステリックな表現も素晴らしかったですね。
ヴァンサン・カッセルは顔が怖いので怖い役をやることが多いですが、今作もまた違った怖さです。
頭おかしいのか?ってくらいにすぐヒステリー起こしますが、繰り返し見せられていくうちに深みを感じてきました。
弟と違って優秀じゃない哀しみをそこに抱えているような気がしました。
ナタリー・バイが母でしたが、軽いタイプの女性でいい加減にも見えますが、大きな愛を上手く伝えられていないよう切なさがありました。
アーティスティック気取り過ぎで意味深過ぎる気がしましたが、
フランスの豪華キャストでやるならばやはりフランスらしい映画を期待するので、
フランスらしいフランス映画を期待するならば最適の映画ですね。
ただここまで徹底されると自分のセンスでは理解できている自信もなくなります。
強烈な愛と強烈な哀しみは伝わりました。
相変わらず自分のフランス語力の無さに凹みました。
フランス語映画を見るたびに勉強意欲は増します。
そんなわけで8点。