メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

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犬ヶ島

2018年05月30日 | 映画
犬ヶ島
を観ました。


今から20年後の日本。メガ崎市ではドッグ病が蔓延し、人間への感染を恐れた小林市長が、すべての犬を“犬ヶ島”に追放すると宣言する。
数か月後、犬ヶ島では、怒りと悲しみと空腹を抱えた犬たちがさまよっていた。
その中に、ひときわ大きな5匹のグループがいる。かつては快適な家の中で飼われていたレックス、22本のドッグフードのCMに出演したキング、高校野球で最強チームのマスコットだったボス、健康管理に気を使ってくれる飼い主の愛犬だったデュークだ。そんな元ペットの4匹に、強く生きろと喝を入れるのが、ノラ犬だったチーフだ。
ある時、一人の少年が小型飛行機で島に降り立つ。彼の名はアタリ、護衛犬だったスポッツを捜しに来た小林市長の養子だ。
事故で両親を亡くしてひとりぼっちになり、遠縁の小林市長に引き取られた12歳のアタリに
とって、スポッツだけが心を許せる親友だった。
スポッツは鍵のかかったオリから出られずに死んでしまったと思われたが、それは“犬”違いだった。
何としてもスポッツを救い出すと決意するアタリに感動したレックスは、伝説の予言犬ジュピターとオラクルを訪ねて、教えを請おうと提案する。
一方、メガ崎市では、小林政権を批判し、ドッグ病の治療薬を研究していた渡辺教授が軟禁される。
メガ崎高校新聞部のヒロシ編集員と留学生のウォーカーは、背後に潜む陰謀をかぎつけ調査を始める。
アタリと5匹は、予言犬の「旅を続けよ」という言葉に従うが、思わぬアクシデントから、アタリとチーフが仲間からはぐれてしまう。
少しずつ心を通い合わせ始める一人と一匹に、さらなる冒険が待っていた─。


ウェス・アンダーソン監督作品です。
過去かなり高評価した特別な作品がいくつかあります。
前情報の時点でかなりド肝抜かれていましたが、実際に本編見たら想像通りにド肝抜かれました。
大の愛犬家なのでその点でも非常に嬉しかったです。

めちゃくちゃアーティスティックです。
これまた何かイノベーションが起きた、映画の枠を広げるのに貢献したような作品です。
もうシュールでセンスが独特過ぎて、心がキャッチしきれないアーティスティックな情報量でした。

オープニングのロゴやら字幕の出し方から導入から。
言語はそれぞれが話せる言語を話しています、というシュールな注意書き。
そこからずっとずっとシュールです。
もう何もかも観たこと無いことだらけでした。
日本を舞台にしているセンスも見事でした。
日本人で無くても、これを日本的世界観で描いたのは見事だと思うでしょう。
そして日本人が観て、これは間違った日本の解釈、って思うようなこともないです。
そんなことを超越するかのような芸術性でした。

まず英語と日本語の乱立が独特で、こんなに小声でしゃべる映画も観たこと無いです。
ナレーションにかぶったりして主人公がボソボソ喋ってたりするのです。
もうなんちゅうセンスじゃ!って思いました。

映像のセンス、ストーリー展開も非常にこのセンスの理にかなっていました。
ストーリーはちょっと冗長でダレる感じもありますが、複数回観たらひょっとしたらもっと楽しめるのかも。
みたいな雰囲気もありました。

カメラワークも独特で犬たちの造形も良かったです。
意外と痛々しさもあって。
それでいて妙なかっこよさもあって。

ここまでのセンスを発揮してここまで面白く見せたのは見事だったと思います。
ふと思い出すのは夜は短し歩けよ乙女でしょうか。
作品の内容と独特すぎる描写のマッチング。
この手のチャレンジに成功している作品は大好物です。

かなり没入出来る、動画とは言えもはや完全なるアートでした。


そんなわけで8点。

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