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ゲティ家の身代金

2018年05月29日 | 映画
ゲティ家の身代金
を観ました。


“世界中のすべての金を手にした”といわれる大富豪ゲティ。
孫ポールが誘拐され1700万ドルという破格の身代金を要求されたゲティは、支払いを断固拒否。彼は大富豪であると同時に稀代の守銭奴だったのだ。
離婚によりゲティ家を離れていたポールの母ゲイルに支払いは不可能。
息子を救い出すため、ゲイルは事あるごとに脅迫してくる犯人だけでなく、断固として支払いを拒否する【世界一の大富豪】とも戦うことになる。
警察に狂言誘拐を疑われ、マスコミに追い回され、疲弊していくゲイル。
一方、一向に身代金が払われる様子がないことに犯人は痺れを切らし、ポールの身に危険が迫っていた・・・。


リドリー・スコット監督作品です。
言わずと知れた超巨匠監督で、大好きな監督です。

前情報からかなり興味がありましたが、流石のクオリティでした。
素材も良いし、脚色も演出も素晴らしかったです。

時代背景もよく、何気ない行動から一気に悪い状況になってしまう感じはなんか生々しかったです。
世界を股にかける当時世界一の大富豪なので世界中に拠点があったようです。
それでも誘拐事件が起きる場所はイタリア、犯人集団はイタリア人です。
しかも南イタリアです。
自分が日本の次に長くいた事がある国ですが、正直イタリアってこういう野蛮なイメージあって嫌ですね。
大好きなイタリアですが、こういう雰囲気は大嫌いですね。
先進国の中でG7の中では最も民度が低い野蛮な国って印象です。
日本では考えられない冷たい対応の描写もなんかイタリアっぽいな、と思いました。

そんなわけで作品は半分くらいがイタリア語劇でそれは非常に良かったです。
かなりナチュラルなイタリア語感でした。

誘拐された主人公の息子、大富豪の孫がいい子なのですがちょっと迂闊でバカでストレスでしたね。
せっかくうまく行きそうだったのに・・・的な歯がゆさは良い引きでした。

主人公はかなり凶悪なイタリアマフィアと交渉しつつ、孫の身代金を出さない義理の父とも戦わなければならないという。
かなりハードボイルドな状況で、義理の父のボディガードと共に何とか息子の奪還を試みます。
大富豪の義理の父は息子の身代金は払わないのにそれと同額くらいの美術品を買ったりはしていて。
その辺で見事にこの人物の人となりを表していました。
息子(孫)の救出を試みつつも愛情で行動する母と極度に利害を優先する義理の父。
身代金を出す代わりに親権よこせ、など根っからの守銭奴っぷりを発揮します。
結局マフィアが悪者なのか?ゲディが悪者なのか?みたいな。
マフィアは完全に悪ですが、ゲディは理にかなうことばかりいうので、観ていて心が忙しい映画です。

作品自体は重厚で演出も適度で説明過多では無く見る人が想像で補完するような場面もいくつかあり良かったです。

主人公のミシェル・ウィリアムズは今個人的にはかなり評価高い女優さんです。
今作も強さと弱さを兼ね備え、悲壮感たっぷりの非常に素晴らしい演技でした。
美人だしそもそも好きですけど。

ゲディを演じたのはクリストファー・プラマーが演じていました。
いい作品でよく見かける大ベテランですが、今作の演技は素晴らしかったですね。
こんなに悪どい爺さんの描写、老い方も演技なのか?リアルなのか?ってくらいのクオリティで。
これは何かしらの賞レースで注目されても良さそうなクオリティでした。

マーク・ウォールバーグが元CIAでゲディのボディガードしつつ主人公の交渉の手伝いをしていました。
ノンフィクションベースだけあって極端にヒーロー的に活躍したりはしません。
それでも適度に活躍して適度に良い仕事してました。

流石のリドリー・スコット作品、間違いなく良い作品でした。
このキャリアでも仕事量とクオリティが素晴らし過ぎますね。


そんなわけで8点。

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