メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

告発のとき

2008年07月02日 | 映画
告発のときを観た。

実話を元にした映画みたいです。
トミー・リー・ジョーンズ演じるハンクのもとに息子のマイクが軍から居なくなり、このままだと脱走兵になってしまうと連絡があった。
息子はイラク戦争に行っていて帰還したばかりだった。

ハンクは元々軍警察かなんかで軍関係者に顔が効くし、腕もいい。
そんなハンクが息子の行方を探し始める。

観てから読んでください。

ハンクが息子を探し始めてすぐに殺人事件の一方が入る。
警察が現場検証をする。
人気の無い荒地で発見された遺体はバラバラにされ、焼かれ、その後野犬に食べられ悲惨な状況。
その後の調査でその遺体が息子だと判明する。
息子は次男で、ハンクは既に長男も戦争で亡くしていたため息子は一人も居なくなってしまった。
母親(スーザン・サランドン)はとても悲しむ。

そしてハンクは今度は犯人探しを始める。
それに女刑事(シャーリーズ・セロン)が協力する。

操作しているうちに見えてきた息子の現状。
同時進行で息子が残した携帯の動画も少しずつ修復され父親は息子の実態を少しずつ理解する。

息子はまじめだった。
息子は薬をやっていた。
息子は苦悩していた。
息子は仲間とは仲良くやっていた。
息子は父に救いを求めていた。

マイクは同じ隊だった仲間と4人でストリップバーに行き、仲間と喧嘩しその仲間達に殺され焼かれた。

現代のアメリカの若者はイラクに行きその悲惨な環境でみんなおかしくなってしまったというのがこの映画の言いたかった事。

お互いを憎しみあっていることは無いのだが、殺さなければ俺が殺された、と言うのが殺した青年の主張。
その主張に父も納得する。
軍のみんなはマイクをドクと呼んでいた。
父親はそれを不思議に思っていた。
マイクは怪我したイラク人の傷に手を突っ込んで医者の真似をして「何処が痛い?」と拷問してみんなを笑わせていた。
その様子は息子の携帯動画にも残っていた。
だから皆は彼をドクターのドクと呼んだ。
父親の知らない息子だった。

息子はイラクについてすぐに一般市民の子供を轢き殺してしまい心を病んでしまった。

マイクと同じ隊に居た青年と話をするラストシーン。
みんな好青年だったがイラクに数ヶ月居ればおかしくなってしまうと彼は話す。
ハンクは感慨深げにそれを聞く。


全体的に静かで重厚で素晴らしい映画でした。
チープではないサスペンス要素が盛り込まれていて普通にどんどん引き込まれました。
戦争ものは近年戦闘シーンを描かずに戦争後の戦士達の心の闇を描くものが多い感じがしますね。
当然戦争は反対なのでアメリカ政府に観て欲しいと思うような内容でした。

役者の数は少ないが、無駄が無く、みんな素晴らしい演技でした。
ノーカントリーに続いてトミー・リー・ジョーンズは最近素晴らし過ぎます。

イラク戦争を描いた映画は始めて観た気がしますが、いつになっても戦争は悲惨なんだと、このIT時代でも戦争は悲惨なんだと知らされました。

また近代の若者の心は繊細で弱くなっているような事も言われている気がしました。

そんなわけで7点です。
なかなかの名作だと思います。

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