オールド

オールド
を観ました。


休暇で人里離れた美しいビーチを訪れた複数の家族。
楽しいひと時を過ごしていた矢先、ひとりの母親が突然姿を消した息子を探している——
「私の息子を見かけませんでしたか？」
「ママ、僕はここにいるよ！」
母親が息子の姿に気付かないのも無理はなかった。なんと6歳だった息子は、少し目を離した隙に少年から青年へと急成長を遂げていたのだ。
一体このビーチで何が起こっているのか？
海岸に打ち上げられた女性の死体、次々に意識を失う人々、砂浜に残された謎のメッセージ――
不可思議な出来事に直面する彼らは、やがて自らが急速に年老いていく事に気付く…。
果たして、極限状態に追い込まれた彼らの運命は？


M.ナイト・シャマラン監督作品です。
人並みより少し好きな気持ちでほぼ全作見ていると思います。

予告編の時点でジョジョの奇妙な冒険っぽいなと思って大分気になっていました。
第6部のプッチ神父の能力みたいな映画だなと。
昔はジョジョの奇妙な冒険の元ネタ映画を探す楽しみがありましたが、
今やすっかりそれは逆転してジョジョの奇妙な冒険に影響を受けた作品を見る楽しみが生まれつつありますね。

自分は映画を見る時になるべく予告編を見ないようにしますが。
どうせ見るので宣伝等で先入観を作りたくないので。
しかしシャマラン作品は予告編をうまくフリに使うので結構見てしまいました。
一日で一生が終わるビーチに囚われた人々、一体どうゆうことなのだろう？
とまんまと好奇心でした。

程よいテンポ感のプロローグから徐々に不穏になっていき、見事なコントラストでありえない状況へと展開していきました。
皆が気づいていく感じは非常に引き込まれる感じがありました。
ホテルに導かれてビーチに集まる人々。
最初に来たのに謎めいて何も言わない男の歯がゆさもジョジョっぽいと思ってしまいました。

一生が一日で終わり、断崖に囲まれてて一度入ると抜け出せないビーチ。
そこに集まった4組の家族やカップル。
秀逸なワンシチュエーション映画ですが。
そのシチュエーションで起こりうるショッキングな出来事を見事に想像の斜め上から次々と提供される映画でずっと引き込まれっぱなしでした。
全くランダムに思えたそこにいる人々のかすかな共通点に気づいていくのも好みでした。

取り返しのつかないことの連続で、そのピンチっぷりはあまりの極限状態。
シチュエーションが絶望的な程こういうのは夢中になる。
人生に無駄な時間は無いという強いメッセージも素直に含んでいます。

状況が極限なのでサバイバルに導かれますが、そもそもこの状況はなんなのか？
という大いなる謎も含んでいてその回収も見事だったと思います。

登場人物は決まっているのですが子役たちはどんどん変わって主人公たちは三人一役ですが、
その違和感の無さや継ぎ接ぎ部分の展開も上手にこなしていました。

メイン家族の父をガエル・ガルシア・ベルナルが演じていました。
結構自分が印象に残っている作品で良いインパクトを残しています。
伝えるのが難しいおじさんの老いをうまく表現していました。

その妻をヴィッキー・クリープスが演じていましたが作品に非常にマッチしていました。

その子供からおじさんになる姉弟の弟をアレックス・ウルフやイーモン・エリオットが演じていました。
その姉をトーマシン・マッケンジーやエンベス・デイヴィッツが演じていました。
難しい設定ですが、どちらも違和感なく良かったと思います。

その他ルーファス・シーウェル、アビー・リー、ケン・レオン、M・ナイト・シャマラン本人などが出ていました。

劇場で娯楽するにはかなり秀逸な映画でした。


そんなわけで8点。